全国でクマの出没や被害が相次ぐ中、市街地に出没したクマの対応に当たった警察官が、その経験を基に防護用の盾とクマスプレーを組み合わせた装備を考案した。警察官が日頃の業務を改善するためのアイデアを出す県警の「警察装備資機材開発改善コンクール」で優秀作品に選ばれ、警察庁の全国コンクールにも出品される。
盾の上部にスプレー装着ホルダー
新たに考案された装備は、不審者などへの対応に使われるジュラルミン製の盾の上部に、クマスプレーを装着できるホルダーを取り付けたもの。盾で身を守りながら、クマが接近してきたときに素早くスプレーで威嚇できるように工夫した。郡山署といわき東署から同様のアイデアが出された。
発案者は現場責任者
郡山署生活安全課の宗像一美課長(50)は発案者の一人だ。4月上旬、郡山市の市街地にクマが出没した際、警察側の責任者として現場に臨場した。盾を持ちながらクマが潜む茂みに数メートルの距離まで近づくこともあり、「いつ飛び出てくるか分からない緊迫感があった」と当時を振り返る。
クマは緊急銃猟で駆除されたが、その後開かれた県や市などとの意見交換会で「盾だけで接近するのは危ない」と指摘する声が上がった。宗像課長は「クマが住宅地に向かうのを防ぐなど、周囲の安全を守るためにどうしても接近しなければならない場面もある」と感じ、身を守りつつクマも威嚇できるようにと、盾とスプレーを一体化させる装備を思いついた。
県内では目撃情報相次ぐ
県内では25日、福島市渡利地区の住宅街で30分間に計4件の目撃情報が寄せられる事案が発生したばかり。宗像課長は「市民を守れるよう、まずは現場の警察官の安全を確保する態勢で臨みたい」と力を込める。県警施設装備課は「(考案された装備の)有効性を見極めていきたい」としている。



