万博EVバス購入、補助金前提で大量一斉導入 懸念共有されず
万博EVバス購入、補助金前提で一斉導入 懸念共有されず

大阪メトロは17日、大阪・関西万博の会場などで使用され、事故や不具合により全190台が使用中止となった電気自動車(EV)バスについて、購入の経緯を検証した調査報告書を公表した。報告書は、万博輸送に使うバスをすべてEVバスにする必要があると考え、国や大阪府、大阪市の補助金を利用することを前提に、運行を担う子会社の懸念にもかかわらず、大量のバスを一斉に購入したと指摘している。

購入の経緯と補助金の影響

報告書によると、大阪メトロは2021年12月、EVモーターズ・ジャパン(EVMJ)からバスを購入する検討を開始。2024年度までに、万博関連の輸送用として大型と小型を150台、大阪市内を走る予約制のオンデマンドバスとして超小型40台を購入した。大型・小型の購入にあたっては、国が進める事業の支援対象となるために一定規模の実証実験が必要とされ、「100台規模を当初から一斉導入することを推し進める要因になった」と報告書は分析している。

追加購入の必要性に疑問

また、追加購入した50台については、「万博輸送の目的で追加調達する必要性は低かった」と指摘。100%株主だった大阪市から補助金の活用を促され、「特段の議論なく追加購入が判断された」とした。この判断プロセスでは、安全リスクや運用面での懸念が十分に共有されず、子会社の意見が軽視された可能性が示唆されている。

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事故と使用中止の影響

これらのEVバスは、万博開催中に複数の事故や不具合が発生し、最終的に全190台が使用中止となった。バスは万博閉幕後も留置され、大阪市城東区では「EVバスの墓場」と称される光景が広がった。問題の深刻さを受け、大阪メトロは責任を取り、会長が辞任する事態に発展した。安全リスクの認識が「不十分」だったことが批判されている。

今後の対応と課題

報告書の公表を受け、大阪市や関係機関は今後のEVバス調達における意思決定プロセスの改善を求められている。補助金ありきの導入ではなく、安全性や実用性を最優先する体制の構築が急務となっている。また、使用中止となったバスの処遇についても、富山での保管など暫定的な対応が取られているが、最終的な扱いは未定である。

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