最大震度7を観測した熊本地震の発生から28日で1か月となった。京都府内からは24日までに熊本県宇土市や八代市を中心に、延べ200人を超える自治体職員が交代で派遣され、水道や医療、行政事務など多分野で専門性を生かした支援が行われた。各自治体では、報告会などを通じて現地の状況や求められる活動を共有し、今後の災害対応に生かそうとしている。
府庁で職員が活動報告
24日には府庁で、派遣された府職員5人が西脇知事に活動を報告した。中丹東保健所の神原真規子さんは、食品の組み合わせ改善や物資の調整などを担う栄養拠点を八代市や氷川町に設置したことを紹介。避難所では主食中心の食事が続くため、肉や野菜が求められたといい、「どんなものを食べたいか聞いてもらえてうれしいと話す人もいた」と述べ、避難生活での栄養支援の重要性を指摘した。
健康対策課の笹井泰代さんは保健師として災害関連死の予防のため氷川町に入り、独居の高齢者宅などを訪問。被災直後はエアコンが使えず、余震を怖がって外で2日間過ごした80歳代の女性の事例を紹介し、「市町村と連携した要配慮者対策の推進が大事だと思った」と振り返った。
情報共有システムの導入も
乙訓保健所の澄川千絵さんは、被災地での家庭訪問で紙の地図を使っていた当初は他のチームとの全体把握が困難だったと説明。周囲と協力して情報管理システムを導入し、訪問状況を一覧で管理できるようにしたといい、「情報共有に役立った」と話す。
このほか、宇土市で罹災証明書の発行業務や住宅の被害調査に当たった2人も出席し、暑さ対策や自治体職員同士の連携の重要性などを訴えた。西脇知事は「経験を共有し、被災地への支援の充実だけでなく府内で災害が発生した際の対応力向上につなげたい」と話した。
京都市立病院でDMAT報告会
京都市立病院(中京区)では27日、八代市で活動した災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣報告会が開かれ、職員約60人が聴講した。医師1人、看護師2人、業務調整員2人の計5人が5~9日に活動。主に障害者施設や介護施設を訪れて困りごとを聞き取り、ガーゼや尿取りパッドなどの物資を届けた。ある介護施設では、スポットワーク(スキマバイト)のスタッフが災害後に出勤しなくなり、代わりに入所者の食事介助を手伝うケースもあったという。
業務調整を担当した診療放射線技師の宮崎吉博さんは熊本市の出身で、2016年の熊本地震を機にDMATを志したといい、「被災者が健康な生活を取り戻すための支援が出来た」と振り返った。
府警は、9月出発予定も含め計8部隊約80人を派遣。高速道路での緊急通行車両の対応や避難所での相談、防犯指導、パトロールのほか、防犯カメラの設置など、多岐にわたる業務に当たっている。



