熊本地震で震度6強の揺れに見舞われた熊本県八代市では、家屋の倒壊に巻き込まれるなどして20人の命が失われた。発生から2週間が経った今も、大切な人を失った人々は悲しみの中にいる。
水やりの時間帯に被災
7月28日の地震発生から約2時間半がたった午後7時頃、自宅脇の用水路で尾村トヨ子さん(79)は見つかった。揺れが襲ったのは、自宅を囲むように作った花壇に植えた草花の水やりの時間帯だった。
熊本市で暮らしていたトヨ子さんは20年ほど前、単身赴任をしていた夫の不二夫さん(79)の定年を機に、夫の実家がある八代市に移り住んだ。趣味は園芸で、朝夕の2回、不二夫さんと一緒に水やりをし、通りかかる人たちとあいさつを交わすのが日課だった。地域でも「花いっぱいの家」と評判だった。
地震発生の瞬間
地震があった日の夕方、不二夫さんは病院から戻ったトヨ子さんから家計簿をつけるようレシートを手渡された。「じゃあ、お願いね」。震度6強の揺れが襲ったのは、その2、3分後だった。



