熊本地震の支援 関連死を食い止める正念場だ
熊本地震の支援 関連死を食い止める正念場だ

熊本地震の被災地では、過酷な避難生活を続ける住民の疲労が蓄積し、災害関連死が最も懸念される局面を迎えている。10年前の地震の教訓を生かし、被災者の生活支援に全力を尽くすことが求められる。

熊本県内では住宅の被害が1万7000棟を超え、6000人以上の被災者が避難所に身を寄せている。車中泊や在宅避難を続ける人も多い。

関連死の実態と今後の見通し

10年前の熊本地震では、関連死が220人を超え、家屋倒壊などによる直接死の4倍に達した。大半は持病を抱えた高齢者で、たび重なる余震や長引く避難生活のストレスで体調が急変するケースがほとんどだった。

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関連死の6割は地震後1か月間に集中し、3か月後には8割に達した。2024年の能登半島地震でも、地震後3か月間の関連死が全体の7割近くに上った。まさにこれからが正念場だと言える。

暑さと避難所の環境がもたらす負担

今回は厳しい暑さが被災者を苦しめている。加えて、大勢が寝泊まりする避難所では、夜間も人の足音で熟睡できず、疲れが取れにくい。余震も多く、肉体的・精神的なストレスは計り知れない。

体調悪化を防ごうと、避難所からホテルや旅館に移ってもらう2次避難が始まった。宿泊費は公費でまかなわれる。県内外の200以上の宿泊施設が受け入れに協力するという。関連死の防止に役立つと期待される。

だが、通勤や通院、自宅の片付けなどを理由に、近くの避難所にとどまる人がなお多い。宿泊施設を紹介しても「自宅から遠い」と辞退する人も少なくないという。国や地元自治体は、被災者の状況や意向を踏まえ、安全な避難生活が送れるように環境を整えることが不可欠だ。

支援物資の配送体制の課題

関連死を防ぐには、支援物資を滞りなく被災地に送り続けることも重要となる。政府は、被災地の要請を待たずに食料や毛布、乳児用ミルクなどを送る「プッシュ型支援」に取り組んでいる。

だが、届いた物資を避難所に運ぶ人手が足りず、輸送拠点の体育館などに山積みになっているケースも散見される。こうした「ラストワンマイル」の課題は、過去の地震でも見られたが、今回も解消されていない。

支援物資が被災者に確実に届くよう、配送の体制を整える必要がある。まずは国や全国の自治体から派遣された応援職員や、ボランティアの効率的な配置に努めることが重要だ。物流の専門知識を持つ人材の投入も急いでほしい。

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