熊本地震で不自由な生活を強いられている子どもたちを元気づけようと、熊本県内の団体や企業が夏休みの思い出作りに奮闘している。縁日の開催や施設の無料開放などを企画し、関係者たちは「前向きな気持ちで、夏休み明けの学校に臨んでほしい」と願っている。
八代市でシャボン玉イベント
最大震度6強を観測した熊本県八代市では、多くの子どもたちが市役所近くの公園に集まった。ライトに照らされる中、大量のシャボン玉が宙に舞う様子に、子どもたちは目を輝かせた。
同市の小学3年の児童(8)は「きれいだった。夏休み一番の思い出」と声を弾ませた。予定していた北海道旅行に地震で行けなくなったといい、父(39)は「連れて行けず申し訳なかったが、イベントを開いてもらい、ありがたい」と笑顔を見せた。
シャボン玉イベントは、地元の会社員有志らがこの日の夕方に開いた縁日の催し物の一つ。縁日は、地元業者に協力を呼びかけ、全国から物資を集めて開催した。会場で開かれた流しそうめんやヨーヨーすくいなどには、多くの親子連れらが集まった。
イベント中止や商業施設の休業
イベント統括の鬼塚悠輔さん(28)は「子どもたちには、夏休みに暗い気持ちになってほしくなかった」とイベントを企画した理由を述べた。
7月28日の地震発生後、熊本県内ではイベントの中止や規模縮小が相次ぐ。八代市の第39回やつしろ全国花火競技大会や、山鹿市の夏の風物詩「山鹿灯籠まつり」で大勢の人が舞い踊る「千人灯籠踊り」などが、今年は中止になった。県内の主な商業施設も休業。各家庭では、避難生活や家の片付けなどに追われた。
クラウドファンディングで資金集め
夏休みを楽しめない子どもたちのため、思い出作りを手伝おうと、遊び場の提供や施設の無料開放をする動きもある。
宇土市などで子ども向けの体操教室を運営する「SHAGOOL体育教室」は、運動や水遊びのイベントを無料で開いている。
同社は、クラウドファンディング(CF)で全国から約100万円の活動資金を集めた。副代表の馬淵寛汰さん(28)は10年前の熊本地震の際、高校生で避難者のために何もできなかったことで悔しい思いをしていたといい、「身を切ってでも、子どもたちが明るくなるきっかけを提供したかった」と力を込めた。



