7月28日に最大震度7を観測した熊本地震後、イオンモール熊本(熊本県嘉島町)で大きな爆発が発生した。イオン側はガス漏れがあった可能性が高いとしており、LPガスの漏洩による爆発とみられている。
LPガスにはどのような性質があり、なぜこれほどの破壊力を持つのか。東京理科大の土橋律教授(燃焼学)によると、LPガスは都市ガスと比べて熱量は大きいが、ガス爆発の威力はあまり変わらない。しかし、漏れ方や広がり方の特徴から、ひとたび大量漏洩が起きると深刻な被害につながる可能性がある。
LPガスと都市ガスの違い
LPガスは液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)の略で、プロパンやブタンを主成分とする。都市ガスはメタンを主成分とし、空気より軽いが、LPガスは空気より重く、低い場所に滞留しやすい。
そのため、LPガスが漏れると床付近にたまり、換気が不十分な場所では爆発性の混合気を形成しやすい。
なぜ爆発の破壊力が大きいのか
ガス爆発には「爆燃」と「爆轟」の2種類がある。爆燃は燃焼速度が音速より遅く、爆轟は音速を超える。爆轟になると、圧力波が発生し、破壊力が格段に大きくなる。
イオンモール熊本のような大規模な爆発では、爆轟が発生した可能性が指摘されている。LPガスが大量に漏れ、密閉空間で着火した場合、爆轟に移行することがある。
爆発のきっかけ
爆発のきっかけとなる着火源は、電気のスパークや静電気、火の気などが考えられる。地震による停電や設備の損傷で、電気系統から火花が発生する可能性もある。
火災が発生しない場合でも、爆轟による衝撃波だけで建物に大きな損傷を与えることがある。LPガスの爆発では、1平方メートルあたり50トンの破壊力に達することがあるとされる。



