岐阜県河川課は、過去3年間の全国の水難事故を集計した結果、岐阜県が海のない内陸8県の中で水難事故件数が最も多いことが明らかになったと発表した。2023~25年の事故件数は172件(死者85人)で、2位の滋賀県(100件、死者30人)を大きく引き離している。全国の都道府県全体で見ても、岐阜県はワースト4位に位置する。
長良川・木曽川などが上位
河川財団の調査によると、2025年までの23年間の全国の主な河川別水難事故で、県内を流れる長良川が2位、木曽川が5位、板取川が6位と上位を占めている。これらの河川は観光客やレジャー客に人気が高く、事故発生の一因となっている。
県河川課は2019~25年の県内の水難事故を分析し、河川の利用形態別ではレジャーが42%と最も多く、釣りが28%と続くことを確認した。レジャーによる水難者の居住地を見ると、愛知県が56%を占め、岐阜県の31%を上回っており、県外からの訪問客が事故に遭いやすい実態が浮き彫りになった。
水難者の3割が外国人
さらに、水難者の29%は外国人で、国籍別ではベトナムが29%、ブラジル21%、パキスタン13%、ペルー9%、フィリピン、ネパール、中国が各8%だった。外国人労働者や技能実習生の増加に伴い、川でのレジャーや釣り中の事故が目立つ。
これらの結果を受け、県は「県内外のレジャー客」「高齢の釣り人」「外国人」の3項目を重点ターゲットに据え、事故防止啓発を展開する。具体的には、レジャー客向けにモデル地区でのライフジャケット貸し出しや高水位時のSNSによる注意喚起、愛知県のショッピングモールでのライフジャケット着用体験などを計画。外国人対策としては、領事館や国際交流機関、企業、学校と連携した啓発活動を進める。釣り人に対しては、アウトドアショップや釣具店、漁協などと協力し、ライフジャケット着用を呼びかける。
県河川課は「内陸県でありながら水難事故が多く、特に県外からのレジャー客や外国人への注意喚起が急務。今後も関係機関と連携し、事故防止に努めたい」とコメントしている。



