同居家族がいるにもかかわらず、家庭内で孤立してしまう「家庭内孤立」という現象が注目されている。外からは見えにくいこの問題は、ひとり暮らしよりも強い孤独感を感じるケースもあるという。
家庭内孤立の実態
家族と同居していても、会話が少なかったり、気持ちを共有できなかったりすると、孤独感が生まれる。特に男性は家族とのコミュニケーションが少ない傾向があり、子どもがいても会話が続かないこともある。寡黙で家庭内の交流が細りやすいため、孤立を招きやすい。
この傾向は日本に限らず、海外でも見られる。オーストラリアやアメリカ、イギリスなどでは、男性向けの集いの場「Men's Shed」が生まれている。
海外の取り組み「Men's Shed」
Men's Shedは、男性が肩を並べて作業しながら自然に交流できる場だ。特徴的なのは「Not face-to-face but shoulder-to-shoulder(向かい合ってではなく、肩を並べて)」という考え方。男性の場合、対面で向き合って話すことが苦手な人も多いが、木工や修理作業などを一緒に行うことで、無理なくコミュニケーションが生まれるという。
壊れた椅子を直したり、作業のコツを教え合ったりするうちに、会話が途切れがちな男性でも関係性を築きやすい。村山氏は日本の都市部でのMen's Shedを生み出そうと動き始めている。無口な男性も、何か共通の目的を持てば互いのコミュニケーションがとりやすくなる。
家庭内孤立を和らげるには
外では人と関わりがあっても、家の中では孤立してしまうことがある。一方で、近所との付き合いがほどよくあり、同居家族以外とも気軽に言葉を交わせる環境があるほど、家庭内で感じる孤立感や寂しさは和らぎやすいことも分かっている。
心身の健康を保つうえでも、外との交流だけでなく、家の中での小さなつながりを意識してみることが大切になる。小さな交わりの積み重ねが、孤立を防ぎ、心身の健康を支える力になるだろう。



