栃木県鹿沼市の東武日光線・新鹿沼駅で、作業員4人が特急列車と接触して死亡した事故について、東武鉄道が20日に記者会見を開いた。見張り員3人を配置するなど、作業員を待避させる態勢は十分に取られていたはずだが、なぜ事故は防げなかったのか。同社の説明をもとに経緯と疑問点を整理した。
事故の発生と待避手順
事故は8月20日午前10時45分ごろに発生。10人態勢で線路内の除草薬散布作業をしていたところ、このうち4人と新鹿沼駅の1番ホーム上り線に時速約52キロで進入してきた特急「スペーシアX」が接触した。
東武鉄道では、線路内やその周辺で作業する際、列車の接近に気づいた見張り員が作業員に指示して待避を確認後、旗で列車に進入可能の合図を知らせる。認識した運転士は警笛を鳴らし、現場に進んでいく。
今回は作業員の近くにいる「列車見張り員」のほかに、下り側と上り側で約315メートル離れた距離にある踏切付近に「中継見張り員」を配置する計画だった。
正しい待避方法と疑問点
そのうえで、①中継見張り員が旗を振るなど待避合図を出す②それを見た列車見張り員が作業員に待避を指示する③作業員が待避する④列車見張り員が列車の接近を了解する合図を旗で示す⑤中継見張り員が列車の接近を了解する合図を旗で示す⑥列車が警笛で合図――という流れが正しい待避方法だった。
作業員の安全が確認されない場合は、見張り員は赤い旗を振るなどして列車を止めなければならない。東武鉄道の説明では、この順序が正しく遂行されたのか判然としない点がいくつかあったという。
まず①について中継見張り員は意思疎通できる状況ではなかった可能性が指摘された。この記事は有料記事のため、続きは有料会員限定となる。



