カラスがゴミを漁るのはなぜか?
東京の街中で、カラスがゴミ袋を荒らす光景は日常的だ。ライフのオフィス窓辺に「サバの頭」が置き土産として残されることもあるという。動物行動学者で東京大学総合研究博物館特任准教授の松原始氏は、この現象を生物学的に解説する。
カラスは雑食性で、基本は昆虫などの小動物と果実類を食べる。しかし、鳥類の多くは雑食であり、スズメも昆虫や穀物、果実を食べる。ヒヨドリやツグミ、メジロも同様だ。カラスだけが特別に雑食というわけではない。
カラスは凶暴なのか?
ツバメの巣を狙うカラスは凶暴に見えるが、ツバメ自身も昆虫しか食べない肉食専門であり、ワシやタカと変わらない。カラスが嫌われる理由は、人間がカラスの餌となる小鳥に肩入れしがちだからだ。また、卵や雛を狙うのは、カラスの捕食能力がお粗末であるため。大した攻撃力がなく、ハトくらいなら捕食できるが、猛禽類のように一発で仕留める武器を持たない。
スカベンジャーとしてのカラス
カラスはスカベンジャー(掃除屋)でもある。動物の死骸や捕食者の食べ残しを漁る役割を担い、ハイエナやハゲタカと同じだ。都市では人間が主役であり、日々食べ物を消費し、その残滓をゴミとして出す。生ゴミは「大型動物の食べ残し」であり、カラスにとっては行き倒れた動物の死骸と大差ない。
松原氏は「カラスが小鳥の巣を狙うのは雑食だから。トマトを食べるのも雑食だから。ゴミを漁るのはスカベンジャーだから。生物学的には単純に整理できる」と述べる。
人間とカラスの「共同生活」に異変
しかし、東京ではこの共同生活に異変が生じている。カラスがゴミを漁る行動は、人間の生活スタイルと密接に関連しており、ゴミの出し方や管理方法が問題となっている。松原氏は「人間は都市でカラスを飼っていた」と指摘し、今後の対策の必要性を示唆する。



