2023年に青森県八戸市の「みちのく記念病院」で発生した入院患者間の殺人事件を巡り、当時院長だった兄と患者2人の主治医だった弟が事件を隠蔽したとされる裁判で、犯人隠避の罪に問われた弟の石山哲被告(61)の被告人質問が14日、青森地裁(角田康洋裁判長)で行われた。検察側は、石山被告が元院長に対し、死亡した患者の血液検査結果をもとに死因について「肺炎でいける」と話したと主張しているが、被告はこれを否定した。
死因偽装の経緯と被告の主張
被告人質問で石山被告は、弁護人から元院長が死因を肺炎とする虚偽の死亡診断書を別の医師に作成させる意向を示したことについて問われると、「兄が決めたことだからこれでいくんだろうなと思った」と述べ、自身は提案していないと強調した。また、「死因を肺炎とするのは無理」と述べ、検察の主張を明確に否定した。その上で、「当時は兄に仕えるのが私の宿命だったが、間違っていた。責任はある」と反省の言葉を述べた。
遺族への思いと裁判の行方
角田裁判長から亡くなった患者や遺族の心境について問われると、石山被告は「なんでこんな病院に入院させたのか悔やんでも悔やみきれない(だろう)」と述べ、遺族の心情に思いを馳せた。兄の石山隆元院長(63)は既に懲役1年6月執行猶予3年の判決が確定しており、弟の石山被告の量刑が注目される。裁判は今後も続き、被告の関与の程度が争点となる。
事件の背景と病院の現状
みちのく記念病院では、2023年に入院患者同士の殺人事件が発生。その後、病院側はコンプライアンス徹底など四つの改善の柱を掲げた改善報告を提出している。元院長は公判で「病院を守るため」に隠蔽したと述べており、病院経営と医療倫理の狭間で揺れる判断が問われている。本件は地域医療の信頼を揺るがす重大な事件として、社会の注目を集めている。



