兵庫県明石市で2001年に発生し、11人が死亡した歩道橋事故から21日で25年となった。遺族らは現場の慰霊碑に花を手向け、犠牲者を悼んだ。
事故の概要と慰霊
事故はJR朝霧駅と花火大会会場の大蔵海岸を結ぶ歩道橋で発生。見物客が殺到し、群衆雪崩が起き、0~9歳の子ども9人と高齢者2人が死亡、183人が重軽傷を負った。
21日午前には市の新人職員研修があり、次男・智仁ちゃん(当時2歳)を失った下村誠治さん(68)が「25年たっても、助けられなかった後悔や怒りは変わらない。安心、安全の文化を引き継いでほしい」と語りかけた。
現場では発生時刻の午後8時45分頃に合わせ、次女の優衣菜さん(同8歳)を失った三木清さん(57)ら遺族が慰霊碑「想の像」に献花した。
長女の千晴さん(同9歳)と長男の大君(同7歳)を亡くした有馬正春さん(67)は「生き残った後悔と『ごめんね』という気持ちは、ずっと消えない。どこでも同じような事故が起きる可能性がある。ここで起きたことを、今一度思い起こしてほしい」と話した。
雑踏警備の対策進む
川口寿裕・関西大教授(群集安全学)によると、事故は会場と駅を結ぶルートが歩道橋しかなかったこと、歩道橋上が対面通行だったこと、逃げ道のない空間だったことなどから発生。1平方メートル当たり13~15人に達し、群衆雪崩が起きた。
警察庁は事故翌年の2002年、初詣や花火大会などのイベントで、警察本部に雑踏警備を統括する「指導官」を置くよう通達。2025年には警察官が小型の「ウェアラブルカメラ」を装着する取り組みも始まった。
警察やイベント主催者らは人の流れをロープで分けたり一方通行にしたりする対策を取ってきた。川口教授は「教訓はいかされている」と評価する。
一方で、災害時やSNSによる情報発信で突発的に人が集まる状況では、人の流れをコントロールできず事故の恐れが出る。川口教授は、エレベーターの満員状態に相当する1平方メートル当たり5人になると危険だとし、混雑方向から離れるなど個人の判断が大切だと指摘。「一人ひとりが事前に危険を察知し、過密状態を作らない行動を意識してほしい」と述べた。



