福岡県内で兄(当時57)を刺殺したとして、殺人罪に問われたのは9歳差の弟(50)だった。刺し傷、切り傷は50カ所以上。弟は警察の調べに「蓄積してきた怒りが爆発した」と供述したとされる。
それほどの怒りとは何だったのか。福岡地裁で5~6月に開かれた裁判員裁判の記録などからたどる。
事件の概要
2025年7月の深夜。110通報したのは兄だった。「弟に押された」と通報。警察官が福岡県内の民家へ駆けつけると、玄関に血だまりができ、兄が倒れていた。救急搬送されたが、死亡が確認された。
弟もけがで入院し、退院後に逮捕された。
確執の始まり
兄には小さい頃からかわいがられ、食事やドライブに連れて行ってもらった。関係は良かった。だが弟が20代のころ、兄は結婚と離婚を二度繰り返した。
両親と実家暮らしだった弟は、借金や親権をめぐるトラブルに巻き込まれ、兄に不満を持つようになる。19年に父親が体調を崩した。



