7月28日に最大震度7を記録した熊本地震で、被災した人々が酷暑、ライフラインの寸断、劣悪な環境の避難所など過酷な状況に置かれている。東日本大震災や能登半島地震の被災者たちと関わり続けている作家の瀬尾夏美さんは、「人を大事にしない日本の構造」が被災者の環境をさらに厳しくしていると指摘する。
避難所の過酷な環境
避難所では、床に雑魚寝したり、クーラーがなかったり、プライバシーが確保されなかったりする。避難所で過ごすのが難しい人たちにとって、車中泊が当たり前の選択肢になり、亡くなってしまう人もいる。
大きな災害があるたびに毎回問題視されてきたのに、今回も同じことが繰り返されている。人権意識が欠如しているとしか思えません。高齢者や、病気や障害のある人など、住み慣れた環境でやっと生活をしていた人にとっては、命を落とす危機的な状況です。このままでは災害関連死が増えてしまいます。
「人の命を大切にする」を最優先に
「人の命を大切にする」「一人ひとりを尊重する」ということを最優先にすべきです。
被災後も生活は続く。東北や能登で被災した人たちからよく聞いたのは、被災後しばらくのことについて、「あまり記憶がない」という話です。被災した瞬間のことは鮮明に覚えていても、その後の記憶が飛んでいると言います。きっと、それくらい生きるのに必死だったのだと思います。
熊本で被災した人も、今はそういう状態なのではないでしょうか。水を運んだり、誰かのケアをしたり、片付けをしたり。生きていくための実務がたくさんあります。
「前向き」ではない被災者の現実
厳しい状況でも前を向いているんですね、という問いに対し、瀬尾さんは「『前向き』とかではないんじ…」と述べている。記事は有料会員限定で、続きは1641文字ある。



