救急車を呼ぶ基準は?軽症なのに呼ぶ迷惑利用を減らすには
救急車を呼ぶ基準は?軽症なのに呼ぶ迷惑利用を減らすには

体調が急に悪くなったときやケガをしたとき、救急車を呼ぶかどうかの判断は難しい。夜間や休日など医療機関が診療時間外の場合はなおさらだ。読売新聞のユーザー投稿サイト「発言小町」には、救急車の利用に関する投稿がたびたび寄せられている。救急車の出動件数が全国的に増加する一方、呼ぶ必要のないケースなのに呼んでしまう、いわゆる“迷惑利用”も後を絶たない。迷惑利用を減らすために、ふだんから知っておきたいことをまとめた。

「不要な救急車要請をしてしまった」体験談

「不要な救急車要請をしてしまった」のタイトルで投稿したのは、トピ主「朝顔」さん。幼い息子が顔面を打って出血し、あわてて公的な救急医療相談に電話をかけた。すると、診療中の病院を教えてもらえ、同時に「その病院で対応出来なければ、すぐに救急で」と案内されたという。このときの「救急」が「救急外来」を指していることに気づかなかった「朝顔」さん。息子はケガをしたものの、走り回るほど元気な様子で、電話相談の相手に「元気なんですけど救急ですか?」と聞き直した。返ってきたのは「ええ、救急です」の一言だった。トピ主さんは「教わった病院に断られた場合、救急車で行かないと、どこの病院も診てくれないのだろう」と勝手に思い込み、救急車の出動を要請した。到着した救急隊員から「救急外来は自分で行っても診てもらえるんですよ」と諭され、結局、救急搬送は辞退。自分で息子を病院に連れていった。その後、救急外来について調べて反省しきりで、「母親なのに、無知と申し訳なさで押し潰されそうです」と発言小町につづった。

高齢者が繰り返し呼ぶケース

子どものケガは待ったなしだが、高齢者の場合には別の問題があるようだ。夫の両親と2世帯住宅で暮らすトピ主「じりり」さんは、70代後半の義母が家族に何の相談もなく、救急車を呼んでしまうという投稿を寄せた。ある日、仕事が休みで家にいたトピ主さんが、救急車のサイレンに驚いて階下に行くと、義母が救急隊員に「頭痛がして……」と訴えていた。たしかに具合が悪そうだったので、救急車に同乗して病院へ。検査を受けたところ、結果は異常なし。点滴を受けただけで帰されたという。しかしその後、義母が救急車を呼んでしまうことが、わずか3週間で2度、3度と続いた。さすがに義父が「具合が悪いなら病院に連れていくから」と叱ると、義母は「そこまでしてくれなくていい」と言い残し、ぷいと部屋に引きこもってしまったそう。トピ主さんは「本当に具合が悪いのかもしれませんが、こういうのってどうしたらいいのでしょうか」と発言小町に問いかけた。

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軽症利用が招く深刻な影響

このトピに対しては、軽症で救急車を呼んでしまう人がいたために、迷惑をこうむったというエピソードも寄せられた。「つい数か月前のことです。父親が心臓発作で倒れました。その際に救急車が出動中で、そのため、病院への搬送が遅れました。もし、あなたの義母が救急車を要請したせいで、誰かの搬送が遅れたとすれば、あなたはどう感じますか?」(「ヨシポン」さん)

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救急車の出動件数は増加傾向にある。緊急性の低い軽症者による利用が増加すれば、救える命も救えなくなりかねない。救急車の「適時・適切な利用」はいまや、社会的な課題になっている。東京消防庁は、公式SNSで、「何でも屋じゃありません。」と記された画像とともに、「適時・適切な利用のお願い」を投稿している。また、ホームページでも、「救急車が必要なのは本当にあなたですか?」と問いかけるとともに、「ためらわずに救急車を呼んでほしい症状」を列記し、これに該当する場合は、速やかに119番に連絡するよう求めている。救急車を呼ぶべきか迷う場合には、「東京版救急受診ガイド(Web版)」をチェックして判断するよう呼びかけている。このガイドを使うと、病気やケガの緊急度と、近くの医療機関が1分程度でわかるという。

判断に迷ったら相談サービスを

全国の自治体の多くは、「#7119(救急安心センター)」の電話サービスを開設している。医師や看護師、専門の相談員らが客観的なアドバイスをしてくれる。今回の「じりり」さんのトピにも、「ダイニー」さんから「救急車#7119と電話登録してください。救急車が必要か否かの相談ができます。私も母のことで過去3回ほどお世話になりました。うち2回は結局救急車を呼びました」という体験談が寄せられている。「ピカンパイ」さんは「アメリカに住んでいますが、救急車は有料で、呼ぶと自治体にもよりますが、2000ドルとか3000ドルの費用を請求されます」と報告したが、日本でも、緊急性がないのに救急車を利用した場合には、診療を受けた病院から通常の診療費とは別に「特別料金」を請求されることがある。救急車は、数に限りのある社会インフラ。本当に必要な人が困らないような運用が望まれている。