2週間前に土に埋めたネコの解剖依頼…獣医師が感じた飼い主の真意
土に埋めたネコの解剖依頼…獣医師が感じた飼い主の真意

2週間前に土に埋めたネコの病理解剖を依頼する飼い主がいた。獣医師は、遺体の組織が崩れているため顕微鏡での観察が難しいと説明したが、飼い主は「後悔したくないので、病理解剖をしてほしい」と強く希望した。

解剖をめぐるやりとり

病理診断では、病変組織を顕微鏡で観察することが欠かせない。しかし、2週間も土の中にあった遺体では、組織の構造や細胞が崩れてしまっている。獣医師は「顕微鏡で観察しても、ほとんど情報は得られないでしょう」と飼い主に説明した。

それでも飼い主は「後悔したくないので、病理解剖をしてほしい」と主張した。獣医師は「病理解剖では、遺体にメスを入れることになります。それでも何もわからず、かえって後悔することになるかもしれませんよ」と伝えたが、飼い主は「それでも、解剖してほしいんです」と譲らなかった。

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このやりとりを何度か繰り返した末、獣医師は、飼い主が強く希望するのであれば、遺体の状態が悪くても病理解剖を引き受けると判断した。

飼い主の真意

話を続けるうちに、獣医師は「飼い主さんは、愛猫の死をまだ受け入れられていないのではないか」と感じた。そこで、慢性腎臓病の経過だけでなく、そのネコとの思い出についても尋ねてみた。

すると飼い主は、ネコと過ごした日々を滔滔と話し始めた。子ネコのころに拾ったこと、ネコを飼うのは初めてで餌の選定や水の飲ませ方など試行錯誤しながら大切に育てたこと、寒い時期にはこたつで一緒に寝転んで過ごしたこと、2歳や3歳のころの思い出、12歳になって食欲が落ちやせてきたため初めて動物病院へ連れていき慢性腎臓病と診断されたこと――。

言葉に滲む後悔

飼い主は「もっと早く病気に気づいてあげていれば、あの子は苦しくなかったのではないでしょうか……」としきりに繰り返した。その言葉からは、愛猫の病気に早期に気づけなかったことへの強い後悔が伝わってきた。

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