ロンドンの高等法院は17日、内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジ被告(50)を米国に引き渡すことを認める判決を下した。アサンジ被告は、米軍の機密文書や外交公電を大量公開したとして、スパイ法違反など18件の罪で米国から起訴されている。
判決の内容と今後の展開
高等法院の判決は、アサンジ被告の引き渡しを認めた2021年1月の下級審の決定を支持するもの。アサンジ被告側は、政治的動機による訴追であり、米国での収監は自殺の危険があると主張していたが、裁判所はこれを退けた。アサンジ被告側は最高裁判所への上告を検討している。
判決に対し、アサンジ被告の婚約者ステラ・モリス氏は「危険な前例」と批判し、「この判決はジャーナリズムと民主主義に対する攻撃だ」と述べた。一方、米国司法省の担当者は「アサンジ被告の行為は無実の人の命を危険にさらした」とし、引き渡しの正当性を強調した。
アサンジ被告の起訴内容と背景
アサンジ被告は2010年、ウィキリークスで米軍のヘリコプターがイラクで民間人を攻撃する映像や、約25万件の外交公電などを公開。これにより、米国はスパイ法違反やコンピューター詐欺などの罪で起訴した。アサンジ被告は2012年からエクアドル大使館に潜伏し、2019年に英警察に逮捕された。現在はロンドンのベルマーシュ刑務所に収監されている。
アサンジ被告の支持者や人権団体は、今回の判決が内部告発者やジャーナリストの保護を弱めると懸念。国連特別報告者も「表現の自由の重大な後退」と批判している。
今後の見通し
アサンジ被告側が最高裁への上告を認められた場合、審理が続く可能性がある。また、英政府の承認も必要で、最終的な引き渡しまでには時間がかかるとみられる。米国での裁判が実現すれば、アサンジ被告は最長175年の禁錮刑に直面する可能性がある。



