警視庁が、通信傍受法に基づく傍受において、システム不具合により無関係の会話を誤って聴取していたことが、関係者への取材で明らかになった。法施行以来、誤聴取が確認されるのは初めてで、対象者のプライバシー侵害や人権侵害につながる可能性が懸念される。
誤聴取の経緯と原因
誤聴取が発生したのは、2024年7月、警視庁が組織的な犯罪の捜査のため、特定の対象者の電話を傍受していた際のこと。システムの不具合により、対象者とは無関係の第三者の会話が約30分間にわたり傍受・録音された。警視庁は同月中に誤りに気づき、録音データを消去したとしている。
原因は、傍受システムのソフトウェア更新後の設定ミスで、対象者の回線識別番号が誤って別の回線に紐づけられたことによる。警視庁はシステムベンダーと協力し、再発防止策を講じたと説明している。
法改正と今後の課題
通信傍受法は、2000年に施行され、組織犯罪やテロ事件などの捜査に限定して認められている。しかし、誤聴取のリスクは以前から指摘されており、今回の事例を受け、法改正や運用見直しの必要性が高まっている。
法務省は「重大な問題であり、詳細を確認した上で再発防止を徹底するよう警視庁に指導する」とコメント。一方、人権団体からは「個人のプライバシーを侵害する許されない行為であり、厳正な処分と制度の抜本的な見直しが必要だ」との声が上がっている。
警視庁の対応と今後の捜査への影響
警視庁は、誤聴取された第三者の特定を進め、必要に応じて謝罪や説明を行う方針。また、誤聴取が捜査に与えた影響についても検証する。今回の事案が今後の通信傍受の運用にどのような影響を及ぼすか、注目される。



