罪を犯した人々の更生を支える保護司の担い手が減少している。無給でありながら責任や負担の重さが理由とみられる。広島県呉市で30年以上保護司を務める女性は「再犯を防ぐためにも、寄り添ってあげられる人が必要だ」と重要性を強調する。
全国で1325人減少、高齢化も進行
法務省によると、全国の保護司は4万5033人(1月1日現在)で、2021年から1325人減った。高齢化も深刻で、70歳以上が4割近くを占め、平均年齢は65歳を超える。
広島保護観察所によると、県内の保護司は1158人(同)で、2021年から55人減少した。
無給のボランティア、負担大きく
保護司は法相から委嘱された非常勤の国家公務員に位置づけられるが、給与は支給されず、実質的には民間ボランティアとして活動している。面談場所の確保など負担も大きい。78歳以上は再任されないため、今後も減少傾向が続くとみられる。
呉市の島でただ一人の保護司、後任見つからず
呉市の上蒲刈島で唯一の保護司として活動する鎌田等子さん(76)。同市教委で非常勤職員として勤務していた1991年に先輩の保護司から「女性の保護司を探しているからやってみないか」と誘われたのがきっかけで、今春には藍綬褒章を受章した。
保護司になってからは、「更生保護」という言葉の重みに押しつぶされそうになり、辞めようと考えたことも何度かあったという。「どうにか更生させないといけないと思いすぎていた」と振り返る。
上蒲刈島は人口が1400人程度と小さく、「街中よりも人間関係が密」。対象者の島での居心地が悪くならないよう、面談場所は人目につかない時間帯や場所を選んだ。「本音が話せる関係を作るために」と面談時は対象者の話に興味を持ち、共感していることが伝わることを意識してきたという。
これまでに担当したのは7人。「(更生し)いい家庭を作って楽しそうに生きてくれるのがうれしい」と話す。
今年で76歳となり、保護司の「定年」が近づいているが、後任は見つかっていない。「10年以上前から探しているが、みんな島外に仕事に出ていくので難しい」とつぶやく。
昨年12月には改正保護司法が成立。若い世代が働きながら活動できるよう、民間企業に対して休暇取得などの配慮を求める内容で、今年のうちに施行される予定だ。鎌田さんは「私と同じように長く続ける保護司さんが出てきてくれるとうれしい」と願う。



