鹿児島県の曽木発電所遺構と共に、ダム湖に沈んだ「下ノ木場(したんこば)集落」。発電所景気で大きく栄えたこの集落は、水没に伴い高台へ移転したが、多くの人々はこれを機に別の地域へ移り住んだ。
発電所建設で活気を取り戻した集落
曽木発電所が建設されたことで、下ノ木場集落はかつての活気を取り戻した。レンガ造りの発電所は、現在では鹿児島の夏の観光名所として知られるが、ダム湖に沈んでから長い間忘れ去られていた。
社宅に漂ったウナギのかば焼きの匂い
発電所が稼働していたのは約60年前までのこと。当時、発電所の社宅には所長をはじめ多くの従業員が暮らし、月収130円の所長は「超高所得」と言われるほどだったという。社宅周辺にはウナギのかば焼きの匂いが漂い、集落は繁栄を極めた。
ダムの底へ沈んだ60数戸の集落
しかし、ダム湖に水没する際、下ノ木場集落は近くの高台へ移転した。60数戸あった集落の情報は、地元の郷土史などにはあまり記述が残されておらず、当時を知る人も今ではかなり少なくなっている。
発電所景気で栄えた水没集落のありし日の姿は、資料と証言から現在に伝えられている。



