全国の煙突180本が損傷・劣化、60本は対策予定なし 国が初調査
全国の煙突180本が損傷劣化、60本は対策予定なし 国が初調査

熊本地震で工場の煙突が倒壊した事故を受け、国が初めて全国の煙突の傷みを調査した結果が23日、公表された。全国の事業所に高さ60メートル超の鉄筋コンクリート製煙突が444本あり、うち180本(約41%)が損傷・劣化し、対策が必要な状態だった。

煙突の経年劣化の確認などを行政に義務づける制度はなく、政府は法改正も視野に対応を検討する。

熊本地震で倒壊、9人死亡

7月の熊本地震では日本製紙八代工場の煙突(熊本県八代市、高さ80メートル)が倒壊し、9人が死亡した。国交省は8~10月、60メートル超の煙突を所有する清掃工場、製鉄、製紙工場などの事業所を対象に、損傷、劣化状況や製造年月などを調査した。

60メートル超の煙突444本を調査

60メートル超の煙突444本は山形、石川、山梨、奈良、佐賀以外の42都道府県にあり、損傷、劣化していた180本中、120本は対策の予定があるが、60本は対策の予定もなかった。損傷、劣化した煙突が最も多かったのは北海道の21本(対策予定なし10本)だった。

また損傷、劣化していた180本中、175本は設置時に国交相の認定が必要となる法改正が行われた2007年6月以前に立てられたものだった。

全国調査は初めて、所有者に応急補修を要請

国交省によると、煙突の損傷、劣化状況に関する全国調査は初めて。損傷、劣化が確認された煙突の所有者に応急補修などを要請する。日本製紙によると、倒壊した煙突の詳細な原因調査は今後行われる見通しだ。