2児殺害事件、母親に懲役18年求刑 責任能力の有無・程度が争点
2児殺害事件、母親に懲役18年求刑 責任能力が争点

水戸市内のアパートで3年前、自身の子ども2人を刺殺したとして殺人罪に問われた母親の被告(42)に対する裁判員裁判が21日、水戸地裁(今井理裁判長)で結審した。検察側は懲役18年を求刑し、弁護側は刑事責任能力がなかったとして無罪か執行猶予付きの判決を求めた。判決は11月5日の予定。

事件の概要と争点

被告は小学3年の長男(当時8)と保育園児の長女(当時5)を殺害した罪に問われている。公判では検察側と弁護側は、被告が事件当時、職場の問題をきっかけにうつ症状があったことは一致していたが、妄想の有無や精神状態が犯行に与えた影響については意見が対立。被告の責任能力の有無や程度が争点だった。

検察側と弁護側の主張

検察側は、被告が事件直前に元交際相手に電話で職場について相談したうえで「子どもを殺して私も死ぬしかない」と伝え、一時落ち着くなど、自殺を逡巡し葛藤していたと指摘。善悪を判断し、犯行を思いとどまる完全責任能力はあったと述べ、「経緯や動機は身勝手かつ短絡的」と主張した。

弁護側は最終弁論で、被告が事件直前、不眠や食欲不振などから「子どもたちが児童相談所に奪われてしまうという妄想」に陥っていたと指摘。「直ちに入院が必要なほど重度の妄想性うつ病」に罹患し、犯行に及んだとしか考えられないと訴えた。

被告の最終意見陳述

また、自首が成立し、遺族は厳罰を求めていない点などを考慮するよう求めた。被告は最終意見陳述で長男と長女の名前を挙げ、「本当に本当に本当にごめんなさい。大切に思ってくださっている方、愛してくださった方、本当に申し訳ございません。これからもいつもどんなときも2人を思い、自分が犯した罪と向き合い、反省の日々を送っていきたいと思っております」とメモを読み上げた。

起訴状などによると、被告は2023年7月23日夜~翌24日朝、自宅アパートで、就寝していた長男と長女の首を包丁で突き刺して殺害したなどとされる。被告は当時、飲食店のパート従業員だった。