熊本地震の被災地で、住民の生活再建を支えてきた災害ボランティアがピーク時から半減し、損壊家屋の片付けなど被災者の求めに応じられないケースも出ている。地震発生から間もなく3か月となるが、いまだ助けを必要とする被災者は多く、関係者は息の長い支援を呼びかけている。
ボランティア活動の現状
9月29日、最大震度7を観測した熊本県宇城市の山あいにある住宅では、上着に「災害ボランティア」のワッペンを付けた男女5人のボランティア(20~60歳代)が作業していた。住人(79)に確認しながら、壊れたタンスやマットレスなどを次々と運び出した。
住人は夫を亡くし、7年前から一人暮らし。築100年を超えるという自宅は倒壊こそ免れたが、屋根瓦が崩れ落ち、家具や家電が破損する被害を受けた。片付けを進めてきたが、大型の災害ごみを処分できずに困っていたという。
この日、ごみを運ぶ軽トラックの荷台は作業開始から約20分で満杯になった。住人は「自分ではどうしようもなかったので、本当に助かった。前向きな気持ちになれた」と感謝した。初めて参加した静岡市葵区の会社員(23)は「役に立ててよかった。静岡は南海トラフ地震の発生も想定されている。被害の実態や、どんな支援が必要かを知れたので、今回得た経験を生かしたい」と語った。
依頼件数と今後の課題
熊本県社会福祉協議会によると、地震後、県内ではこれまでに11市町で延べ約4万1000人のボランティアが活動。被災家屋の片付けや避難所運営などに携わってきた。8月には1日平均617人いたボランティアが、9月の大型連休を境に減少した。今月は19日までで同348人(速報値)にとどまっている。
県社協のまとめでは20日現在、がれきの運び出しといった力仕事や、家屋の片付けなど約1100件の依頼が残る。うち約1000件は被害が大きかった八代市と宇城市に集中する。ボランティアの減少により、被災者の求めに応じられないケースも出ており、関係者は息の長い支援を呼びかけている。