熊本地震支援で見えた課題、金沢市と珠洲市の職員が報告
熊本地震支援で見えた課題、金沢市と珠洲市の職員が報告

熊本地震の発生から28日で1カ月となるのを前に、被災地へ応援職員を派遣した金沢市と珠洲市が活動報告会を開き、現地で見えた課題を共有した。支援物資の配送やバリアフリー、情報整理など、それぞれの自治体が持ち帰った宿題を報告した。

支援物資の「ラストワンマイル」に課題

8月17日に金沢市役所で開かれた活動報告会で、熊本県八代市に赴いた危機管理課の佐々木伸安担当課長は「集積拠点に支援物資は届いているが、避難所まで届ける『ラストワンマイル』がなかなか機能していなかった」と述べた。その上で「今年度、本市(金沢市)では備蓄品の配送計画を策定するので、その中で体制を整えていきたい」と話した。

金沢市は支援物資の配送に関して佐川急便などと協定を結んでいる。今後、事業者と協議して、それぞれの役割や各避難所への輸送ルート、代替路を明確にしていきたいという。

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バリアフリーの視点と技術活用の提案

同課の杉野剛太主査は、スロープと手すりが付いた多目的型のトイレカーが八代市で高齢者らに重宝されたと報告。「電気が復旧して在宅避難に切り替えた被災者が多い中、避難所には高齢者が多く、階段の上り下りに不安の声があった」とし、「金沢市では体育館が2階にある避難所も多く、まだまだバリアフリーの視点で問題がある」と指摘した。

熊本県宇城市で罹災証明書の申請受け付けに携わった資産税課の白井大也主事は、最新技術を使って申請書の入力作業を自動化させてはどうかと提案した。「効率化でき、その分、職員を避難所運営や物資運搬に回せれば、全体として支援のスピードが速くなるのでは」と述べた。

前回の教訓と珠洲市の対応

前回2016年の熊本地震後に、熊本市で実施された液状化対策についても報告があった。16年の地震で液状化し、地下水位低下工法による対策を施した同市南区の近見地区は、震度6強の揺れに見舞われたが、今回液状化被害がなかったという。金沢市では能登半島地震で粟崎地区が液状化被害を受け、現在、地下水位低下工法の工事を進めており、熊本の事例を紹介するチラシを24日に配った。

2024年元日の能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県珠洲市は、災害対応の経験を積んだ職員計6人を熊本市での被害認定調査や熊本県氷川町での避難所支援などのために派遣した。16~21日に派遣された第2陣は、人口が珠洲市と同じ1万人ほどの氷川町で被災者の支援などにあたり、在宅避難者への支援物資配布の方法や、避難所から自宅での生活に戻れるようにするために必要な支援などについて、経験を踏まえて助言したという。

情報整理の必要性と今後の派遣

珠洲市から第2陣として派遣された三上豊子・健康サポート推進室長は「発災から3週間たつが、屋外や車中で泊まる方もいる。在宅避難されている方は限界にきている」と現状を説明した。交通アクセスの悪かった能登半島と違い、様々な支援団体がたくさん入っているものの、情報が混乱し職員も疲弊する中で活動内容を把握して被災者につなげることは難しいと感じたという。三上さんは今後の珠洲市について、「様々な支援団体の情報を整理し、被災者の支援につなげられるような仕組みを、平時から考えておく必要がある」と話した。

珠洲市では能登半島地震や豪雨で住宅被害の調査に携わった税務課の岩坂宗明主幹が内閣府の「罹災証明コーディネーター」に登録されている。岩坂さんは珠洲市派遣職員の第1陣として熊本市の被害調査認定を支援し、28日からは内閣府からの要請を受けて氷川町に派遣される。

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