熊本地震が被災地の学生の就職活動に影を落としている。交通網の混乱でインターンシップを諦めたり履歴書を送れなかったり、直面する問題は多岐にわたる。夏はインターンシップの開催などが本格化する時期。約5000人の就活生を抱える熊本大は被災直後、企業に柔軟な対応や配慮を要請した。一方、近年は学生の個別事情に臨機応変に対応する企業が増えている。専門家は「積極的に相談してほしい」としている。
研究室の復旧に追われ、ES提出を断念
「また大きな揺れが来ないか不安だ。就活は人生がかかっている」と話すのは熊本大の大学院に通う就活中の女性(22)。7月末の地震で研究室の備品が室内に散乱し復旧作業に追われたため、大手化学メーカーが実施するインターンシップのエントリーシートの提出を諦めた。「もし採用試験の日に交通機関が止まればどうすればいいのか。何らかの救済措置があれば安心だ」と話した。
熊本大が企業に配慮を要請
熊本大によると、激震から一夜明けた7月29日以降、学生から切実な相談が徐々に届くようになった。「インターンシップに参加したいが移動できない」「履歴書を送りたいが郵便配送が止まっている」。停電や交通網の混乱の中、選考で不利になることに不安を覚える学生が続出した。
こうした懸念を払拭しようと熊本大は7月30日、学生の就職・採用活動への配慮を求める文書を発表。地震の影響で通常の就職活動が困難になっている学生がいるとして、提出書類の締め切り延長や面接・試験の日程変更などを企業側に要請した。大学の担当者は「学生個人が企業に配慮を求めることは勇気がいる。大学が前面に立って現状をお伝えしたい」と述べた。



