佐賀県の北海域を管轄する唐津海上保安部の福田直樹部長(51)は、管内で「レジャー密漁」が多発している現状を明らかにした。売買目的ではなく、自分で食べるためにサザエなどを無許可で採るケースが目立ち、海保では海岸パトロールなどで抑止・摘発を進めている。
管内の特徴と海難事故の傾向
唐津海保は、壱岐海上保安署(長崎県壱岐市)と伊万里海上保安署(佐賀県伊万里市)を合わせ約100人の職員を擁し、ヘリ甲板付き巡視船「いまり」など巡視船艇5隻で警戒監視にあたる。管内には加唐島や松島など有人島が複数あり、唐津・伊万里両市と連携協定を結び、傷病者の救急搬送などに協力している。
年間約40隻の船舶海難事故が発生しており、プレジャーボートの事故が最多。転覆や浸水に加え、エンジン不調による運航不能が目立つ。春に久しぶりにボートを出した際、エンジンがかからないケースが多く、定期点検や出航前点検の重要性を強調した。
レジャー密漁と悪質な事件
管内の犯罪では「レジャー密漁」が中心。2024年には、密漁を繰り返して約1200万円相当のウニを出荷していた疑いで容疑者らを逮捕した悪質なケースもあった。密航は最近なく、2017年には唐津市の漁港に200キロ余りの金塊を陸揚げした密輸事件で被疑者らを逮捕している。
福田部長の経歴と安全への呼びかけ
福田部長は長崎県佐世保市出身で、海上保安大学校を卒業後、全国各地で勤務。在インド日本大使館の一等書記官も務め、2012年には宮古島海上保安署の巡視船「のばる」の船長として、尖閣諸島に上陸した香港の活動家らを逮捕する指揮を執った。
夏の事故防止には、ヨットハーバーでの救命胴衣着用や船の整備の説明、小学校での安全教室を実施。「陸とは違い、海は危ない」と伝えている。また、不審な船を目撃した場合には「迷わず118番してほしい」と呼びかけ、県民の通報が海の安全につながると語った。



