鹿児島県警は18日、牛肉の表示を偽装して加工販売したとして、食肉加工会社「水迫畜産」(鹿児島県指宿市)の元取締役水迫政輝容疑者(55)=鹿児島市=を食品表示法違反と詐欺の疑いで逮捕し、発表した。容疑者は「意図して偽装したわけではない」と故意を否定し、容疑を否認しているという。
他県産を「鹿児島産」と偽装し納品
県警によると、ふるさと納税の返礼品向けに、鹿児島県産牛肉の注文を鹿児島県内の別の会社から水迫畜産が受けた際、水迫容疑者は2023年9月8日、他県産の牛肉を加工製造した商品に「鹿児島産」と印字したラベルを貼って納品し、同年10月31日、偽装分の代金を含む現金約145万円をだまし取った疑いがある。
県警は今年4月26、27の両日、食品表示法違反の疑いで鹿児島市にある同社の食肉加工施設や指宿市の事務所を家宅捜索し、関係書類を押収。今回の容疑では120パック、計約60キロを偽装したとみている。水迫容疑者は、当時の取締役で、食肉加工販売などの統括、管理をしていたという。
約27トン分の不適正表示を確認
水迫畜産をめぐっては、農林水産省が今年3月10日、牛肉の産地や品種、個体識別番号などを正しく表示しなかったとして、表示の是正や原因究明などを指示・勧告したと発表。交雑種やホルスタインなどを「黒毛和牛」と表示したり、沖縄県産や宮崎県産を「鹿児島産」と表示したりするなど、延べ約27トン分で不適正表示が確認された。
さらに、不適正表示が確認された期間に同社が処理した牛肉を返礼品としたふるさと納税で、鹿児島県内8市町が4万件を超える寄付を受けていたことが判明。寄付額は計7億円以上に及び、各市町が寄付者への対応に追われた。



