熊本地震で活躍する「インスタントハウス」最速1時間で完成、全額寄付で被災者負担ゼロ
熊本地震で活躍「インスタントハウス」最速1時間で完成、全額寄付

熊本地震で大きな被害を受けた熊本県氷川町に、最速1時間で完成する簡易住宅「インスタントハウス」が設置され、被災者の避難生活を支えている。開発した名古屋工業大学大学院の北川啓介教授のもとには、これまでに200件を超える設置依頼が寄せられている。

真夏の被災地に現れた「インスタントハウス」

8月9日、熊本県氷川町は真夏日となった。7月28日に起きた熊本地震で、氷川町は気象庁の震度階級で最も大きい震度7を記録。日本で震度7が観測されたのは、2024年1月の能登半島地震以来だ。町内には完全に崩れ落ちた家屋が複数あり、激しい揺れの爪痕が残る。

8月4日に設置されたばかりのインスタントハウスには、今回の地震で家屋が倒壊したAさんとその家族が家財道具を運び込んでいた。プラスチックのパレットの上に畳を置き、エアマットを敷いたベッドや座椅子、テレビなどを配置すると、約20平米(約12畳)の室内は快適な避難生活を送れる空間となった。

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アイデアの原点は『ドラゴンボール』

インスタントハウスを開発した北川教授は、東日本大震災の際、避難所で子どもに「なんで仮設住宅が建つまで何カ月もかかるの? 大学の先生なら来週建ててよ」と言われたことをきっかけに、5年半かけて開発した。そのアイデアの原点は、漫画『ドラゴンボール』に登場する「ホイポイカプセル」だという。

費用は全額寄付、被災者と自治体の負担ゼロ

インスタントハウスは1棟50万円で、費用は寄付で賄われるため、被災者と自治体の負担はゼロ。設置は最速1時間で完了し、仮設住宅のように入居まで数カ月待つ必要がない。

避難所での生活が難しい被災者も少なくない。熊本地震の被災地では、避難所を3日で出て車中泊を続ける高齢夫婦や、庭先に蚊帳を張って眠る家族がいたという。そうした被災者の軒先に、インスタントハウスが届けられている。

依頼は200件超、偶然立ち寄った町で3日間に10棟建設

北川教授のもとには、これまでに200件を超える設置依頼が寄せられている。偶然立ち寄った町では、3日間で10棟を建設した例もあるという。

インスタントハウスは、被災者の住まいを提供するだけでなく、被災地の「生業」の再建にもつながっている。家を建てる作業を通じて、地域の雇用や経済活動を支える役割も果たしている。

北川教授は、被災者が安心して暮らせる「ホーム」を提供することを目指している。インスタントハウスは、災害時の住まいの選択肢として、今後も活用が期待される。

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