私立東洋大付属牛久高校(牛久市)の生徒たちが、特定外来生物の水草「ナガエツルノゲイトウ」を使った消臭剤の開発に取り組んでいる。農業被害だけでなく災害リスクも懸念される「厄介者」を活用することで繁殖を抑える狙いがある。実験でアンモニアへの消臭効果のある成分を含むことを確認しており、企業などと連携して商品化を目指している。
「地球上最悪の侵略的植物」とは
ナガエツルノゲイトウは南米産ヒユ科の多年草。乾燥に強く、ちぎれ落ちた数センチの茎の断片からも発根するほど繁殖力が強く、「地球上最悪の侵略的植物」と呼ばれる。在来生物の生息環境や水質を悪化させるほか、驚異的な繁殖力で増え、水路や排水溝、ポンプを詰まらせ、洪水被害も懸念される。外来生物法では無許可での栽培や保管、運搬などが禁止されている。
国内では西日本や東日本の広範囲で自生が確認されている。県内では2011年に新利根川で初確認され、霞ヶ浦や北浦、那珂川河口付近などに分布を広げている。
研究グループの取り組み
消臭剤の開発に向けて研究してきたのは、同校の研究グループ「SDGs Lab」。いずれも3年生の阿久根悠祐さん(18)、栗原和沙さん(17)、鈴木花麟さん(17)、西野入美月さん(18)だ。
知り合いの農家から農作物の被害を聞き、昨年6月から調査を開始。環境省の許可を得て河内町の新利根川で自生するナガエツルノゲイトウを刈り取り、葉などから抽出した液で、様々な効能の有無を調べる実験を繰り返した。
思うような成果が見いだせない中、ナガエツルノゲイトウに含まれるポリフェノールに、アンモニアの揮発性を抑える作用があることを記載した文献をヒントに消臭効果に着目。消臭剤に使用される緑茶の抽出液と比較して実験し、加湿した状態ではナガエツルノゲイトウに緑茶と同等の消臭効果があるとのデータを得た。西野入さんは「抽出液を作るのに時間がかかり、根気のいる作業だった」と振り返る。
今後の展望
生徒たちの研究は各方面から注目を集めている。県議会防災環境産業委員会のメンバーらが6月24日に同校を訪れ、4人から説明を受けた。
4人は大学受験の勉強に専念するため、後輩の1、2年生6人に研究を引き継ぐ。研究グループは来月初め、消臭剤メーカーの開発担当者からアドバイスを受ける予定だ。
鈴木さんは「『厄介者を何とかしてほしい』という期待が大きいので、後輩たちには様々な人からアイデアを得て、商品開発を成し遂げてほしい」と話す。



