銀座のクラブに勤務する筆者が「夜の街に出没するちょっと残念なおじさん」をご紹介します。今回登場するのは、「そんなことじゃ売れないよ?」と説教してくるおじさんです。
「この後、ホテルとかどうっすか?」おじさん
これは筆者がまだ24歳の新米ホステスだった頃のお話。その日初めて会ったお客様から「この後、ホテルとかどうっすか?」とお誘いがありました。お店の営業終了後にラブホテルに行かないか、とのことです。
37歳になった今なら機転の利いた「お断り」ができると思いますが、当時24歳の小娘にはそこまでのテクニックはありません。「えーと、じゃあミユキちゃんも一緒なら……」と、やや雑な「お断り」を伝えたところ、おじさんは激昂。「そんなことじゃ売れないよ?」「この業界でやってく気ある?」「キミさあ、この仕事むいてないね」「もう辞めたら?」と、延々と大説教が続きました。
エロで成り上がっていくホステス像
仕事上の利害を裁量する相手と性的な関係を持ち、ビジネスを有利に進めようとすることを「枕営業」と言います。銀座のクラブなどにも、そのような女の子がいないことはないですが、同胞であるホステスから見ても「変わってる子」で、ごく少数です。
ところが、テレビドラマや映画、マンガなどで描かれるナイトワークの世界では、必ずと言っていいほど「枕営業」「ドロドロの肉体関係」がクライマックスのスパイスとして使われています。「毎日マメにLINEを送り、経済新聞を読んで話を合わせ、お酒の席で完璧に立ち回って指名をもぎ取る」という地道でリアルな努力は、映像にしても地味で映えません。結果として、メディアが作った「エロで成り上がっていくホステス像」をそのまま真実だと信じ込んでしまうピュアなおじさんが量産されているのかもしれません。
もしそれだけが目的なら
とはいえ、ベッドインにたどり着けなかったのは、生意気なことを言って申し訳ないのですが、100%彼の技量不足が原因です。このような彼個人の問題を「ビジネスの資質」の話にすり替え、怒ったり、泣いたり、わめいたりしているおじさんは、悲しいことにどこに行っても割といます。
今回は「そんなことじゃ売れないよ?」と説教してくるおじさんについて紹介しました。テレビドラマや映画、マンガなどで描かれるナイトワークの世界はフィクション、ファンタジーで、実際のそれとは大きくかけ離れています。
いやいや、そんなことはない!と夢見ていたいおじさんのためにあえて繰り返しておきますが、おじさんと率先してベッドインしてでも成り上がるんだ!という一生懸命なホステスもいます。もしそれだけが目的なら、もっと安くて手軽な場所がいくらでもあるんですけどね。



