ギャンブル依存症治療拠点、10府県と京都市で未整備 専門医不足で難航
ギャンブル依存症治療拠点、10府県と京都市で未整備

ギャンブル等依存症対策基本法の基本計画で国が全都道府県と政令市に設置を求めている「治療拠点機関」が、10府県と京都市で未整備となっていることが、読売新聞の取材でわかった。地域のギャンブル依存症治療の「司令塔」となる機関で、国は当初、2020年度中に整備する目標を掲げていたが、専門的な医療機関の少なさなどから難航している。

治療拠点機関の役割と選定

治療拠点機関は、都道府県や政令市が、依存症に特化した治療プログラムを行う医療機関の中から選定する。主な役割は、地域で依存症の治療を行う医療機関の実績の取りまとめ、依存症に関する情報発信、医療機関などへの研修であり、地域の依存症治療の中心となる。

読売新聞の取材では、47都道府県のうち青森、岩手、山形、福島、福井、山梨、京都、奈良、高知、沖縄の10府県が未整備だった。30年にカジノ開業が予定される大阪府では「大阪精神医療センター」(枚方市)が選定されている。政令市では京都市が未整備で、残る19市のうち名古屋市を除く18市は、道府県の拠点機関が兼ねている。

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整備目標の延期と課題

16年のカジノ解禁法成立を受け、18年に成立した対策基本法の基本計画(19年閣議決定)では、全都道府県・政令市で20年度中をめどに治療拠点機関を整備するとされた。達成できなかったため、22年には目標を翌23年度中に延長した。

整備が進まない理由の一つが、専門的な治療ができる医療機関の少なさだ。「依存症分野に詳しい人材の育成が難しい」(高知県)、「十分な経験や実績がある医療機関がない」(奈良県)などの回答が目立った。国からの補助がないこともネックとなっている。今年度中の整備を目指す京都府は「負担が大きくなる上、費用面での見返りもない。我々としては(病院側に)協力をお願いしていくしかない」とした。

厚生労働省依存症対策推進室は「未整備となっている自治体の事情を確認し、できるだけ早期に整備したい」としている。

ギャンブル等依存症対策基本法とは

医療・相談体制の整備や広報啓発、研究調査などギャンブル依存症対策の推進を目的に制定された。国に具体的な施策を盛り込んだ基本計画作りを義務づけ、3年ごとの見直しを求めている。競馬などの公営ギャンブルのほか、パチンコなども対象。昨年施行の改正法では、オンラインカジノに誘導する情報発信や、カジノサイトの開設・運営を禁止した。

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