福岡県議会・蔵内議長、9月議会で辞任へ 辞職勧告決議案は採決見送り
福岡県議会・蔵内議長、9月議会で辞任へ 辞職勧告決議案は採決見送り

金銭授受疑惑などに揺れる福岡県議会(定数87、欠員1)の蔵内勇夫議長(72)が、9月定例会で政治倫理条例制定のめどがついた後、議長を辞任する意向を固め、17日の自民党県議団の総会で辞意を伝えたことがわかった。同日開かれた県議会臨時会では、蔵内氏に対する議長職の辞職勧告決議案が採決される予定だったが、自民議員が採決中止を求める緊急動議を提出し、賛成多数で決議案の採決は見送りとなった。

辞意表明の経緯

複数の自民議員によると、蔵内氏は臨時会に先立つ県議団(40人)の総会で「政治倫理条例の制定にある程度めどがついた時期に、議長を辞職する」という趣旨の発言をした。周辺にも「9月議会で議長を辞める」と話したという。一連の問題を受け、県議会では県議が守るべきルールなどを定めた政治倫理条例の制定を目指している。

辞職勧告決議案の提出と採決見送り

辞職勧告決議案は、議長就任前の金銭の支払いを証言した吉松源昭議員が14日に提出。臨時会で上程され、吉松氏は「蔵内氏が密接に関わる不祥事は県議会の正当性を根底から揺るがす事態を招いている」と理由を述べた。

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これに対し、蔵内氏の元秘書で自民の林泰輔議員が「重大な決断を下すには提案内容、時間ともに不十分」として、採決中止の緊急動議を提出。起立採決の結果、賛成多数で決議案の採決見送りが決まった。

自民内の動きと各会派の対応

自民内では若手議員が決議案に賛成する討論を用意するなど「造反」の動きもあったが、蔵内氏の辞任意向を受け、会派として拘束をかけ、緊急動議に賛成することで一致した。

緊急動議の採決では、第2会派・民主県政県議団(20人)の複数の議員も賛成に回った。一方、事前に決議案への賛成を決めていた公明党県議団(10人)や、自主投票とした主要会派の一つ新政会(6人)の議員らは反対した。自民県議団では金銭授受を証言している江藤秀之議員も反対した。

吉松氏は議会後、報道陣の取材に「民主主義の議会のやり方とは到底言えない。(決議案が)採決されず、残念だ」と述べた。辞職勧告決議案は可決しても法的拘束力はない。

県議会を巡る疑惑

県議会を巡っては、複数の正副議長経験者が蔵内氏を含む自民党県議団幹部に現金を渡したと証言。高額な費用の海外視察のほか、蔵内氏が県とともに推進する「ワンヘルス」施策についても、予算の妥当性を問う声が上がっている。

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