天皇陛下は8月15日、東京・日本武道館で開かれた全国戦没者追悼式で「過去を顧み、深い反省の上に立って」と述べ、戦争の惨禍が繰り返されないことを願った。両陛下は戦没者の標柱に黙禱を捧げた。
「どうしても記憶しなければならない」四つの日
上皇さまは皇太子時代の会見で、「どうしても記憶しなければならない」と表現した四つの日がある。6月23日の沖縄慰霊の日、8月6日の広島原爆の日、9日の長崎原爆の日、そして15日の終戦の日だ。
過去を忘れない――。このメッセージは現在の皇室から幾度も発信されてきた重要なものの一つとされてきた。
オランダ訪問で示した歴史観
今年6月に天皇、皇后両陛下がオランダ・ベルギーを訪問した際には、先の大戦当時、旧日本軍によって抑留されたオランダ人団体の関係者にも面会した。天皇陛下は訪問日程の後半に記者団の取材に応じた際、メモも見ずに「過去の歴史は決して忘れるべきではないと思います。過去の歴史を直視して、そして過去の歴史から謙虚に学ぶと言う姿勢が私は非常に大切だと思います」と言い切った。
両陛下に長く仕えた側近は「陛下の歴史観に裏打ちされた言葉だ」と話す。
上皇さまから受け継がれた思い
天皇陛下は、子どもの頃に疎開と敗戦を経験した上皇ご夫妻の元で育てられ、戦争体験や平和の尊さを繰り返し学んできた。
上皇さまは在位中に国内外の戦禍に見舞われた地を上皇后さまと共に訪れて慰霊し、戦後70年の2015年には全国戦没者追悼式での「おことば」に「深い反省」を盛り込んだ。首相のあいさつからはその2年前に「深い反省」の言葉が消え、以降も、2025年の石破茂首相(当時)が「あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばなりません」と述べた以外、「反省」は使われていない。
上皇さまの側近は当時、「次第に過去の歴史が忘れられていくのではないかという焦りにも似た思いがある」と語っていた。



