障害者雇用の仲介企業が水増し報告、1年契約も常用に計上
障害者雇用の仲介企業が水増し報告、1年契約も計上

障害者雇用ビジネスの事業者「サンクスラボ」(那覇市)を介して障害者を雇った企業の一部が、雇用期間が1年を超える「常用雇用労働者」の人数を国に報告する際、本来は該当しない最長1年契約の障害者を含めて報告していたことが、読売新聞の取材でわかった。障害者の法定雇用率達成のために雇用人数が水増しされていた形で、障害者雇用促進法に違反する疑いもある。

常用雇用の定義と水増しの実態

国の障害者雇用制度では、法定雇用の対象となる常用労働者を「1年を超えて雇用される者(見込みを含む)」と定義し、ちょうど1年やそれ以下の場合は含まれない。短期の雇用を認めれば障害者の雇用の安定を損ないかねないためだ。

サンクスラボは、自社が運営する福祉事業所に在籍する障害者を企業に紹介する雇用ビジネスを2019年から展開している。同社のサービスのうち「研修型」と呼ばれるプランは、就職した障害者が業務として1年間の学習を行い、退職後、企業側の要望があればサンクスラボが別の障害者を紹介する仕組み。2024年6月頃まで提案していたプランで、同社はその後、期間が約1年半の別プランへの移行を進めているとしている。

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企業の報告とサンクスラボの回答

同社関係者によると、過去に研修型を利用した企業は数十社に上る。最初から1年限りの予定で雇用した障害者は常用労働者に該当しないのに、複数の会社が取材に対し、国への報告数に研修型の障害者を含めていたことを認めた。

このうちIT関連会社の担当者は数年前、サンクスラボから「研修型は1年が最長。その後は別の障害者を紹介するので法定雇用率は達成できる」と説明を受けたという。担当者は「法定雇用率が達成できるのなら」と深く考えず、1年で退職した障害者の数も「常用労働者として国に報告した」と明かした。

別の情報関連会社の担当者も「サンクスラボから法定雇用の対象になると説明され、雇用数に含めた。意図的な虚偽報告を行った認識はない」と答えた。2024年まで年に2人ずつ研修型で雇用した関東地方の会社も国に報告したという。

サンクスラボは取材に、研修型について「期間の目安を1年程度とする研修カリキュラム構築の支援をしていた」とし、事実と異なる報告を助長したとの指摘には「個別の事業運営及び契約者様の雇用に関する内容であり、回答を差し控える」と回答した。

背景と影響

サンクスラボを巡っては、同社の仲介で障害者を雇った一部の大手企業などが在宅勤務の障害者の就労管理を同社に丸投げし、障害者が「放置された」と感じて心身の不調を訴えた事例などが判明している。

法定雇用率は、国が一定規模以上の企業や自治体などに義務づける障害者の雇用割合。今年7月に引き上げられ、企業は現在2.7%。未達成の場合は不足分の納付金(1人あたり月5万円)を課される。

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