戦争資料500点の収蔵場所に苦慮 松山の市民団体、市に管理要望
戦争資料500点の収蔵場所に苦慮 松山の市民団体、市に管理要望

松山市で毎夏「平和展」を開いている「松山市平和資料館をつくる市民の会」が、収集した戦争関連資料約500点の収蔵場所の確保に苦慮している。会員の高齢化も進み、重い資料を展示できないケースも出ている。同会は市に、資料の一部を管理してもらえないか要望している。

展示後の資料は農機具倉庫へ

7月28日、松山市総合コミュニティセンターで開かれた「平和展」が終わると、会員約10人が当時の軍服や書籍などの資料を軽トラックなどに積み込んだ。向かったのは、市内の会員宅の敷地内にある農機具用倉庫。同会が市民らから提供を受けた戦争関連資料約500点を保管している。

倉庫は蒸し暑い。同会事務局長の渡部玲子さん(64)は「貴重な本や資料もある。より安定した環境で保存できるようにしたい」と話す。

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高齢化で運搬が課題

同会は2003年、市民有志らが設立した。戦争や平和に関する常設の展示室の設立を目指し、会員や市民らから遺品や資料を集めてきた。松山大空襲があった7月下旬を中心に、ほぼ毎年、収蔵資料のうち約200点を展示し、戦争の悲惨さや平和の大切さを伝えている。

一方、約200人の会員は多くは70歳代以上となり、資料の運搬などを担う人手の確保が課題になっている。平和展を終えて資料を倉庫に戻す作業も、主に60歳代以上の会員が担った。資料を入れたケースの中には、2人がかりでなければ運べないものもある。

渡部さんは、直径約40センチの焼夷弾の弾頭を収めた箱を示し、「会員が高齢化し、重くて運べないので、2年ほど前から展示していない」と話した。

市への要望と全国的な課題

同会の梶原健市会長(79)は「資料を安全に収蔵するため、市に収蔵品の一部を管理してもらえないか要望している」と説明する。同会は市に対し、常設展示室の開設も毎年求めている。渡部さんは「資料を預けてくれた人たちに対する責任もある。公的な資料館として、より安定して確実に資料を保存し、分析できるようにしたい」と訴える。

収蔵場所の確保は、戦争や平和に関する資料を扱う施設に共通する課題でもある。市民団体「平和のための博物館市民ネットワーク」が昨年5~6月、全国の博物館など219施設を対象に実施したアンケート調査では、72施設が回答した。運営継続のために重視する事項として、「施設インフラの整備・確保(収蔵スペースなど)」が「資料の収集・保存活動の充実」と並んで最も多く選ばれた。

同ネットワークの丸山豊共同代表(80)は、資料をオンラインで公開する方法もあるとした上で、「収蔵スペースは満杯になる時を想定する必要がある。大学や行政などに資料の重要性を理解してもらい、共に連携することが重要だ」と話している。

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