行楽地でクマ対策進む 高周波音装置や柵設置、保険も
行楽地でクマ対策進む 高周波音装置や柵設置、保険も

夏の観光シーズンを迎える中、行楽地ではクマの出没に備え、安全対策を進めている。クマの出没件数は昨年度、過去最多を記録し、今年度も各地で出没が相次ぐ。クマが嫌がる高周波音を出す装置や侵入防止の柵を設置するなど、行楽客の安全な受け入れに努めている。

称名滝周辺で高周波音装置設置

日本一の落差350メートルを誇る称名滝(富山県立山町)周辺では5月中旬、遊歩道で男女2人が襲われる被害が発生。このため町は6月中旬、クマが嫌がる高周波音を出す装置を遊歩道に三つ設置し、クマを遊歩道に近寄らせないようにしている。

八甲田山系で登山道再開、対策徹底

6月にタケノコ採りの男性がクマに襲われ死亡するなど、人身被害が相次いだ青森県の八甲田山系。事故を受け7月1日から登山道が閉鎖されたが、今月1日に解除された。トレッキングツアーを行う団体では、クマよけスプレーやクマ鈴の携行のほか、持ち込んだ食べ物のゴミを落とさないなどの対策をして臨む。

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温泉旅館で柵設置、キャンセル相次ぐ

昨年度、クマの人身被害が相次いだ秋田県。同県大館市の温泉旅館「日景温泉」では、万が一のクマの侵入に備え、貸し切り露天風呂や屋外通路に100万円以上かけて柵を設置した。昨年10月、岩手県北上市の旅館で従業員が露天風呂の清掃中にクマに襲われた死亡事故の後、日景温泉でも予約キャンセルが相次いだという。石川崇代表は「安全のためできるだけのことはしているので安心して来てほしい」と話す。

出没件数は過去最多、今年も注意

環境省によると、昨年度のクマの出没件数(速報値)は5万801件と、集計を始めた2009年度以降で最多だった。今年度は4~6月で1万2628件(同)と、前年度の同時期を5000件以上上回っており、今年も注意が必要だ。

観光事業者向け支援策も

観光事業者向けの支援策もある。秋田県では今年度、県内での宿泊者を対象に1人最大1万2000円の割引を受けられるキャンペーンを始めた。東京海上日動火災保険(東京)は、宿泊施設などの敷地内にクマが侵入して休業となった際、予約取り消し分の損失を補償する保険を販売している。北海道や東北のホテルなどから300件以上の問い合わせがあり、成約事例も出ているという。

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