群馬・昭和村、5歳児健診をオンラインで本格導入 小児科医不足に対応
昭和村、5歳児健診オンライン本格導入 小児科医不足対応

群馬県昭和村は2026年6月から、5歳児を対象とした発達健診にオンライン診療を本格導入した。全国的に小児科医が不足する中、遠隔地の医師が参加することで健診の実施を可能にする先駆的な試みで、同様の課題を抱える他自治体からも注目を集めている。

5歳児健診の空白期間と発達障害の早期発見

母子保健法では1歳半と3歳の子どもに対する健診が自治体に義務付けられているが、5歳児健診は任意のため、小学校入学前の健診まで約3年間の空白期間が生じる。この時期は社会性が発達し、発達障害などが顕在化しやすいため、早期発見・早期支援が重要とされる。国は2028年度までに全自治体での5歳児健診実施を目標に掲げ、補助金を交付するなど体制強化を進めている。

しかし、群馬県内で5歳児健診を実施した自治体は2025年度時点で11市町村(実施率31%)にとどまる。背景には小児科医の絶対数不足と地域偏在がある。こども家庭庁が2024年度に実施した自治体アンケートでは、「小児科医などの健診医の確保が困難」との回答が78.3%に上り、最も大きな課題として浮き彫りになった。

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オンライン健診の実証実験を経て本格導入

これまで5歳児健診を実施していなかった昭和村は、2025年度に遠隔健康医療相談事業を手がける「Kids Public(キッズ・パブリック)」(本社・東京)と連携し、村内の全5歳児31人を対象にオンライン健診の実証実験を開始。2026年2月には村保健センターに保健師、保育士、心理士などの専門職を集め、小児科専門医のみが東京からオンラインで参加した。

健診では、保護者や専門職への事前アンケートで収集した子どもの行動や会話に関する観察データを基に、医師が社会性の発達や心の成長を評価。その後、医師と専門職によるオンライン会議で個々の子どもへの対応方針を決定し、必要に応じて保護者に伝えた。保護者からの不満はなく、円滑に実施できたことから、村は2026年度からの本格導入を決めた。

昭和村健康福祉課の米山由美子保健師は「オンライン健診は保護者の心理面でのハードルも低く、継続できると判断した」と述べている。

オンライン健診のメリットと今後の展望

1歳半や3歳児健診では身体的な成長確認のための対面触診が不可欠だが、5歳児健診は社会性や発達面の評価が中心となる。キッズ・パブリックの橋本直也代表(41)は「5歳児は子どもの社会性や発達面の評価に比重があるため、オンラインになじみやすい」と説明する。

橋本代表はさらに「オンライン健診は全国の小児科医の人材を活用できるメリットがあり、質も十分に担保できる」と意義を強調。医師不足に悩む自治体にとって、有効な解決策となる可能性がある。

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