精神科医の益田裕介氏は、AIに騙されやすい人には共通する性格特性があると警告する。自己機能と他者機能というパーソナリティ機能の低さが、AIへの過度な依存を招くという。
自己機能と他者機能の重要性
益田氏によると、自己機能とは「自分とは何か」「自分のやりたいことは何か」が分かっているかどうかで評価される。他人から言われてすぐ気持ちが変わる人は自己機能が低く、何を言われてもあまりブレない人は自己機能が高いという。他者機能は「他人の気持ちが分かる」「尊敬できる」「親密感を持てる」などが基軸になり、嫌いな人や敵の気持ちも理解できることがポイントだ。これらのパーソナリティ機能が低いと、人間社会で騙されやすく、生きづらくなる。
パーソナリティ障害の分類
パーソナリティ障害はA群、B群、C群の3つに分けられる。A群は妄想の強い人、非社交的な人、人間嫌いの人など奇妙で風変わりなタイプ。B群は反社会性、自己愛性、演技性、境界性など感情的で移り気なタイプ。C群は回避性、強迫性、依存性など不安で内向的なタイプだ。
AI依存のリスクが高い人
益田氏は、特にB群の「境界性パーソナリティ障害」と呼ばれる人がAI依存になりやすい傾向があると感じている。その理由について、AIは裏切らないからだと説明する。益田自身は「AIの言うことはちょっと物足りないな」「なんか薄っぺらいな」と感じることがあるが、パーソナリティ機能が弱く人間に対する理解度が低いと、AIの言うことに簡単に納得してハマってしまうという。彼らにとってAIは安心できる存在であり、毎回言うことが同じで裏切らず、常に自分を肯定してくれる。しかし、パーソナリティ機能が低い人たちは人間としての理解度が低く、深い話ができなかったり、疑ったり違和感を感じたりしないため、AIにハマってしまうのが大きな問題だと指摘する。
教育現場での懸念
パーソナリティ障害の生涯有病率は約5%で、学校のクラスに暴れ者や情緒不安定な人が2人くらいいるイメージだ。益田氏は、学校の先生が「面倒くさいから、全部AIに相談してよ」と生徒に言ったり、親が「AIに話を聞いてもらってよ」と子どもに言い始めたりすると、AI依存がより一層深まる可能性があると警鐘を鳴らしている。



