夏は熱中症や夏バテに注目が集まりがちですが、「体調は悪くないのに咳が出る」「夜になると咳が気になって眠れない」といった“咳”に悩まされる人も少なくありません。マイナビニュースが20~60歳の男女301名を対象にアンケートを行ったところ、6割以上の人が咳で困った経験があると回答しました。
咳で困った経験がある人は6割超
咳で困った経験があるか質問したところ、「よくある」が19.6%、「ときどきある」が42.9%で、合わせて62.5%が咳で困った経験があると回答。一方、「あまりない」は24.9%、「全くない」は12.6%でした。多くの人にとって、咳は珍しい症状ではなく、日常生活の中でも身近な悩みであることがうかがえます。
最も多い悩みは「一度出ると止まらない」
咳で困る場面について尋ねたところ、最も多かったのは「一度出ると止まらない」で43.1%。続いて「睡眠の妨げになる」(36.2%)、「夜や就寝時に出やすい」(32.4%)がともに3割を超え、咳によって睡眠に影響が出ている人も少なくないようです。また、「周囲の目が気になる」(31.4%)、「仕事や勉強に集中できない」(28.7%)、「会話中に出やすい」(22.9%)など、生活のさまざまな場面にも影響を及ぼしている可能性が見えてきました。
対処法は「水分補給」「マスク」「のど飴」が上位
咳が出た際の対処法として最も多かったのは「水分をとる」(46.3%)。次いで「マスクをつける」(43.6%)、「のど飴をなめる」(42.0%)で、受診よりもまずはセルフケアで対応する人が多いことがうかがえます。今回の調査では、多くの人が咳による不快感や睡眠への影響に悩んでいることが分かりました。では、こうした咳の背景にはどのような要因があり、日常生活ではどのような対策ができるのでしょうか。医師に詳しく話を聞きました。
話を聞いたのは、きだ呼吸器リハビリクリニック院長の松本学氏。専門は呼吸器外科・内科、呼吸器リハビリテーション科です。
咳の原因は風邪だけではない
咳は、気道に入った異物や刺激物を体の外へ排出するための防御反応です。そのため、原因は非常に多岐にわたります。代表的なものとしては風邪などのウイルス感染のほか、花粉やハウスダストによるアレルギー、気管支喘息、咳喘息、副鼻腔炎、逆流性食道炎などが挙げられます。
また、生活環境も大きく影響します。エアコンによる空気の乾燥やたばこの煙、黄砂やPM2.5、大気汚染物質、香水などの強いにおいが気道を刺激し、咳を引き起こすこともあります。季節によっても要因は異なり、冬は乾燥や感染症の流行、春は花粉、秋は寒暖差などが咳の悪化につながる場合があります。
“一度出ると止まらなくなる”背景とは
一度出ると止まらない咳の背景には、咳反射が過敏になっていることが考えられます。風邪やアレルギーなどで気道に炎症が起こると、気道の神経が敏感になり、本来なら気にならないような刺激でも咳が出やすくなります。さらに、一度強く咳をすると、その刺激によって気道の粘膜が傷つき、新たな刺激となって咳が続いて出るという悪循環に陥ることもあります。特に咳喘息では、会話や冷たい空気、笑うことなど些細な刺激でも咳が続く場合があるため注意が必要です。
夜間に咳が悪化しやすい理由
夜に咳が出やすくなる理由として、横になることで鼻水や胃酸がのどへ流れ込み、気道を刺激することが挙げられます。副鼻腔炎や逆流性食道炎の場合、この影響で夜間の咳が目立つこともあります。また、夜は副交感神経が優位になり気道が狭くなるため、喘息や咳喘息の症状が強く出やすい時間帯といえます。さらに、寝室の乾燥やダニ、ハウスダストなどの環境要因が関係することもあります。
咳対策のカギは「のどの保湿」、冷房の効いた室内では特に注意
セルフケアとしてまず重要なのは、気道を乾燥させないことです。こまめな水分補給や適度な加湿は、のどの粘膜を保護し、咳の刺激を和らげる効果が期待できます。特に乾燥しやすい季節や冷房の効いた室内では、マスクの着用も有効です。また、喫煙者は禁煙を心掛け、受動喫煙もできるだけ避けましょう。さらに、睡眠不足や疲労は免疫力を低下させるため、十分な睡眠や休養を確保することも体調管理の面で重要です。逆流性食道炎が疑われる場合は、就寝前2~3時間は食事を控え、枕を少し高くして寝ることも効果があります。
咳が2週間以上続く場合は受診を
風邪による咳は、一般的に1~2週間程度で改善することが多いとされています。一方で、2週間以上咳が続く場合は、一度医療機関で原因を調べることをおすすめします。特に、息苦しさや呼吸困難がある、高熱が続く、血の混じった痰が出る、胸の痛みを伴う、体重減少や食欲低下がある、夜間の咳で眠れない状態が続くといった症状がある場合は、早めの受診が必要です。
長引く咳の背景には、喘息や肺炎だけでなく、肺結核や肺がんなど重大な病気が隠れているケースもあります。「咳だけだから」と放置せず、日常生活に支障が出ている場合は呼吸器内科へ相談し、適切な治療を受けることが大切です。
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調査概要
・調査時期:2026年7月31日
・調査対象:マイナビニュース会員
・調査数:男女合計301人
・調査方法:インターネットログイン式アンケート



