1日のうちに「空腹な時間」をもたない人は、病気や老化の元となる「ゴミ細胞」をため込んでしまっている。ネバダ大学ラスベガス校教授のマイケル・イースター氏が、健康を左右する「食べない時間をもつこと」の重要性を指摘している。
間食の増加と肥満の関連
ノースカロライナ大学の研究では、1978年以前と比べて、間食の頻度は75%も増え、1回あたりの間食の量も60%多くなり、超加工食品の摂取率が高いことが明らかになった。
『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載されたその研究は、糖分、塩分、脂肪の絶え間ない摂取と、恒常的な満腹状態とが、時間の経過とともに互いを強め合い、肥満を加速させていると指摘する。
研究者たちはこう結論づけている。「春や夏のあいだにこの体重増加が解消されないことを考えると、こうした増加分が、成人期にしばしばみられる体重上昇の一因となっている可能性が高い」。
私たちが空腹という感覚から遠ざかってしまったこと。それこそが、1970年代後半から肥満率が急上昇した根本的な理由のひとつなのである。
飢えの時間が健康を保つ仕組み
だが問題は体重だけではない。めったに空腹を感じないのは、私たちの体が本来持っている、飢えの時間を活かして健康を保つ仕組みを失っているということでもある。
じつのところ、飢えの時間は、長く健康でいるために欠かせない。なぜなら人間の体は空腹時に、いわば細胞レベルでの“自然淘汰”を行っているからである。
食べた量にもよるが、私たちはおよそ12〜16時間で前回の食事を消化し、体に取り込んだエネルギーを使い切る。そしてそのタイミングで体内ではテストステロン、アドレナリン、コルチゾールといったホルモンが分泌される。
これらのホルモンは、蓄えた組織をエネルギー源として燃焼させる合図のように作用する。とはいえ、燃やされるのは体の健康な組織ではない。「私たちは主に、死んだ細胞や傷んだ細胞を取り除いているのです」とパンダは説明する。
歴史的な飢えの意義
コーネル大学の歴史学者エイドリアン・ローズ・ビター博士によれば、人類は何千年ものあいだ、飢えという状態を通じて、宗教的な体験を深め、体の仕組みを整え、そして肉体そのものを変化させてきた。



