内科医の名取宏氏が、患者からよく受ける「なぜ私はがんになったのか」という質問に答える形で、日本人のがん原因をランキング形式で解説した。国立がん研究センターの2022年の研究(※1)によると、予防可能な要因の中で最も影響が大きいのは感染症で、全体の16.6%を占める。喫煙(15.2%)や飲酒(6.2%)を上回る結果だ。
第4位以下の要因
4位以下の要因として、高塩分食品(2.4%)、身体活動不足(1.3%)、大気汚染(1.2%)、食物繊維不足(1.0%)、肥満(0.7%)、受動喫煙(0.5%)が挙げられる。特に高塩分食品は胃がんリスクを高め、日本らしい特徴だ。一方、肥満の寄与割合は0.7%と低く、欧米(米国では7.6%)と対照的。ただし、個人レベルでは大腸がんや乳がんのリスク因子となる。
第3位:飲酒(6.2%)
飲酒は全体の6.2%に関与。特に口腔・咽頭がん、食道がん、肝臓がんなどとの関連が強い。
第2位:喫煙(15.2%)
喫煙は15.2%で2位。喫煙者の肺がんリスクは非喫煙者の約4倍で、肺がんの約4分の3が喫煙に起因すると推定される。
第1位:感染症(16.6%)
感染症が16.6%でトップ。主な原因はピロリ菌(胃がん)、ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん)、B型・C型肝炎ウイルス(肝臓がん)など。ワクチンや除菌治療で予防可能な点が重要だ。
名取氏は「ストレスや食品添加物ががんの直接的な原因とする科学的根拠は乏しい」と指摘。コレステロール値に関する誤解にも触れ、現実的な予防策として、禁煙、節酒、適度な運動、バランスの良い食事、感染症対策(ワクチン接種や検診)を推奨している。



