地域ごとに推奨薬リスト作成へ 厚労省、処方のばらつき防止
地域ごとに推奨薬リスト作成へ 厚労省、処方のばらつき防止

厚生労働省は今年度、地域ごとに使用が推奨される医薬品のリスト作りを推進する。この「地域フォーミュラリ」と呼ばれるリストの普及により、処方のばらつきを防いで医療の質を向上させるとともに、安価なジェネリック医薬品(後発薬)の使用を促し、医療費の抑制につなげたい考えだ。リストは災害時、被災者が日常的に使う医薬品の備蓄や迅速な確保にも役立つと期待されている。

推奨薬リストとは

推奨薬リストは、高血圧や脂質異常症、胃潰瘍などで、治療薬ごとに安全性や有効性、費用を考慮して望ましい薬を並べたものだ。医師や薬剤師らが最新の診療指針を参考にして作成する。ただ、流通状況の違いなどにより、使用頻度の高い薬は地域ごとに異なる。そのため各地域でリストを作成することが求められ、リストは「地域フォーミュラリ」と呼ばれる。

医療現場の課題と期待

医療現場では、医師が最新の研究成果に基づいた効果の高い薬ではなく、使い慣れた薬を処方する場合がある。効果に差がなくても、価格の高い薬を選択することもある。リストにより、こうした問題が解消できるほか、同じ地域では同一の薬を入手しやすくなるメリットもある。日本フォーミュラリ学会によると、今年2月時点で18都道府県の30地域で地域フォーミュラリが作成されている。

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医療費削減への期待

厚労省はまた、リストに安価な後発薬を載せることで、医療費の削減にも生かしたい考えだ。後発薬に関する情報を都道府県に示し、リスト作成に役立ててもらう。健康保険組合連合会は2019年、リストの活用で後発薬への切り替えが進めば、高血圧、脂質異常症、糖尿病の薬剤費を全国で年3100億円減らせるとの試算を公表している。

全国展開と災害時の活用

ただ、全国的にはリストの活用が進んでいないため、厚労省は全都道府県に対し、医師会や薬剤師会などが参画する検討会の設置を求める。リストの活用により、災害時、必要な薬が迅速に供給できることが見込まれる。今回の熊本地震では、いつも服用している持病の薬が手に入らず、不安を訴える声も上がっている。地域フォーミュラリがあれば、使われる薬の種類が絞られるため、災害時でも在庫管理や配送がしやすいほか、患者は継続して同じ薬を使えるようになる。

同学会の今井博久理事長は「取り組みには地域差があり、各地の実情に合わせた支援が求められる。都道府県間で進み具合に差が出ないような工夫も必要だ」と話している。

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