性別変更した男性が村長選に挑む 岡山・新庄村、臼井さん「どう生きたいか定めるのが大事」
性別変更した男性が村長選に 岡山・新庄村の臼井さん

岡山県西北端の新庄村で25日に告示された村長選に、農業の臼井崇来人(たかきーと)さん(52)が立候補した。臼井さんは出生時に女性とされ、現在は男性として生きる。性的少数者であることを自ら公表している人が自治体の首長選に立候補した、数少ない例の一つとみられる。

約4千平方メートルの農地では、キウイに似た特産品のサルナシを栽培する。岡山市で育ち、米国留学でエコツーリズムを学び、アルゼンチンでの宣教師活動を経て、2010年に新庄村へ移住した。

性別変更をめぐる法的手続き

16年に岡山家裁津山支部へ性別変更を申し立てたが、法律が求める生殖能力を失わせる手術の規定を満たさず却下され、19年に最高裁でも退けられた。最高裁は23年、別の申立人の審判でこの規定を「違憲」と判断。臼井さんは再び家裁に申し立て、24年2月に性別変更が認められた。

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認められた翌月には、パートナーの幸(みゆき)さん(49)との婚姻届が受理され、法律上も「家族」になった。新庄村では、幸さんとその長男(16)の3人で暮らしてきた。

村への愛着と立候補の思い

立候補の背景には、村への強い愛着がある。環境関連の仕事で初めて訪れたのは20代のころで、大自然に魅了されたという。アルゼンチンから帰国後、村民に「村を何とかしてほしい」と言われ、移住を決めた。

「(新庄村は)自然とも人とも仲良くでき、生きる知恵を持つ。鍛え上げていったら、めっちゃ面白い場所になる」と話す。性別変更が認められず婚姻届が受理されなかった時期も、「村の人は(子どもの)小学校でも中学校でも、家族として扱ってくれた」という。

人口減少への危機感

移住した16年前に約1千人いた人口は、現在700人ほどに減った。「(他人を)ほっとかない、一人きりで孤立させないのが新庄村の強みだと自分は思っている。そういうものが残る形をこれからも作っていきたい」と語った。

選挙戦では「一人ひとりがどう生きたいかを定めるのが大事」と訴える。告示日の25日、登山口で白いTシャツ姿でカメラの前で語った。

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