福岡県田川市の市長選は12日投開票され、女性職員へのセクハラ問題で辞職した前市長の村上卓哉氏(55)が落選。政治や行政の経験がない31歳の元学習塾経営、浦野仁氏が大差で初当選を果たした。浦野氏は全国の現職市長で3番目に若い。
「しがらみなさ」が支持を拡大
浦野氏は無所属新人で、元市長や元県議会副議長、前市長という経験豊富な3人を相手に、「しがらみなき政治」を掲げて戦った。教育環境の整備を訴え、「田川の新時代をつくる」と繰り返し、有権者の支持を集めた。
出直し選挙は、前市長の不祥事で行政への信頼が低下する中での実施。市民からは「新しい風でも吹かないと、田川は変わらない」との声も聞かれ、閉塞感を打破する期待が若い候補に集中した。
人口減少と地域経済の課題
田川市はかつて国内有数の産炭地として栄えたが、1950年代に10万人を超えた人口は現在4万3000人台まで減少。中心商店街はシャッター通りと化し、市民の暮らしを支えてきた平成筑豊鉄道の廃線も決まっている。
これまでの選挙では保革の対立軸が明確で、市を二分する争いが繰り返され、選挙後も政争が絶えなかった。浦野氏はそうした旧来の政治に風穴を開ける存在として期待されている。
未知数の政治手腕
浦野氏は選挙戦で一貫して「しがらみなき政治」を主張し、有権者の大きな支持を得た。しかし、人口減少や地域経済の浮揚など長年解決できない課題にどう立ち向かうのか、その政治手腕は未知数だ。
得票は、浦野仁8345票、二場公人4637票、村上卓哉4232票、佐々木允3399票。投票率は前回を上回り、市民の関心の高さを示した。



