女性職員へのセクハラ問題で辞職した前市長の村上卓哉氏(55)が、福岡県田川市の出直し市長選で落選した。12日の投開票の結果、政治や行政の経験がない31歳の元学習塾経営者、浦野仁氏が大差で初当選を果たした。浦野氏は全国の現職市長で3番目に若い。
セクハラ認定で辞職、再選目指すも及ばず
村上氏は市長在任中、元秘書の女性職員への行為が市の第三者調査委員会からセクハラと認定され、5月末に辞職。その後「有権者の審判を仰ぎたい」と立候補したが、支持を得られなかった。12日夜、落選が決まると事務所で支持者に頭を下げ、「市民に与えた不信感、失望がこの結果になった。おわび申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」と述べた。
「しがらみのなさ」訴え、SNS活用で知名度向上
浦野氏は村上氏の辞職前から立候補を表明していた唯一の候補。2025年の参院選で地域政党「再生の道」から全国比例で立候補し、落選後に同党を離れた。選挙戦では「しがらみのなさ」をアピールし、SNSを積極的に活用して支持を広げた。12日夜の事務所では笑顔で万歳し、「新しい時代に変えてほしいという市民の思いが形になった」と語った。13日朝には街頭に立ち、行き交う車に手を振り、ドライバーから「おめでとう」「これからも負けるな」と声をかけられると深々と頭を下げた。
異例ずくめの混戦、投票率は過去最低
今回の市長選は、村上氏、浦野氏のほか、元市長の二場公人氏(69)、元県議会副議長の佐々木允氏(45)による無所属4人の争いとなり、主要政党の推薦候補がいない異例の混戦となった。得票は浦野氏が8345票、二場氏が4637票、村上氏が4232票、佐々木氏が3399票。投票率は過去最低の58.08%(前回63.85%)だった。
市内の会社員男性(49)は「田川には炭鉱など古いイメージばかりがある。新市長には従来の考えを変え、良いものをどんどん発信してほしい」と期待を寄せた。



