汚職やスキャンダルのイメージがつきまとう「過去の人」か。それとも――。1980年代半ばから4期通算13年、和歌山市長を務めた旅田卓宗氏(81)が、9日投開票の市長選に20年ぶりに挑んだ。収賄と背任の罪で服役し、出所後は静かに暮らしていたはずだった。
「今さら何で?」。そんな言葉を浴びながらだった選挙戦を、記者(50)は見つめた。
「このまま死んでたまるか」と辻立ちを開始
出所後はカラオケ喫茶の店長をしていた旅田氏。もう選挙には「出ない」と話していましたが、突然、立候補を宣言して3年に及ぶ「辻立ち」を始めます。旅田氏の選挙戦を通じて、記者は「政治家とは何か」を考えました。
告示前の7月24日夜、市長選の立候補予定者6人が集まった公開討論会。旅田氏は、トレードマークの黄色い長袖シャツにベスト姿で登壇し、冗談めかして切り出した。
「幽霊じゃないですよ。足はありますから」
初当選から収賄逮捕、服役までの経緯
1986年、41歳で市長選に初当選した。政党を頼らずに当選を重ねたが、2002年の市長選で落選後、市の事業をめぐる収賄容疑で逮捕・起訴された。
拘置所で勾留中の身で、市議選に立候補し、トップ当選を果たして話題を集めた。裁判では無実を主張し、06年にも市長選に立候補したが、再び落選。収賄と背任の罪で実刑判決が確定し、加古川刑務所で13年まで服役した。
地元政界では、完全に「過去の人」になった。
一度は「もう出ない」と語ったが、6年後SNSで
記者は2017年、出所した旅田氏が「カラオケ喫茶の店長をしている」と聞き、会いに行った。間借りしたスナック店舗で…(以下、続く)



