皇室典範改正案の拙速審議、3時間の質疑で根幹変更に疑問
皇室典範改正案 3時間質疑で根幹変更に疑問

皇室典範改正案、衆院通過も審議はわずか3時間

女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、旧宮家の一般男性を皇族の養子に迎える制度を柱とする皇室典範改正案が、賛成多数で衆院を通過した。しかし、この重大な改正にもかかわらず、質疑はわずか1日、3時間で終結した。

「立法府の総意」にない重大な変更が盛り込まれたにもかかわらず、あまりに拙速であり、政府・与党と賛成した野党の見識が疑われる。

養子の子の皇位継承資格が論点に

改正案の論点の一つは、養子に生まれた男子が皇位継承資格を持つかどうかだ。衆参両院正副議長がまとめた「立法府の総意」は、養子の子の身分に触れていなかった。一部の党が「国民を愚弄するやり方だ」と批判した以外、野党から養子制度の問題点への追及がなかったことは疑問である。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

木原官房長官は、「総意」が養子の子の身分に言及していないため、「男系男子が皇位を継承する」という現行法規定により継承資格を持つとの見解を繰り返した。しかし、皇室典範が禁じる養子制度を導入し、象徴天皇制の根幹を変える重大な改正であり、その子にだけ現行法規定を適用するという理屈は詭弁にすぎない。

政府答弁は通り一遍、中道改革連合の理解不能な動き

改正案が「男系男子による継承の維持が目的か」と問われたのに対し、木原氏は「皇族数の確保」だと答弁を繰り返し、旧宮家の系統による皇位継承に道を開くことを明言は避けながら事実上認めた形だ。

最も理解し難いのは中道改革連合の動きだ。養子の子の皇位継承資格について、是非を「速やかに検討する」と付帯決議に明記すれば賛成すると修正を求めた。与党は拒否し、木原氏は「立法府の将来の検討を縛るような趣旨ではない」と答えた。それだけで中道改革は納得して賛成した。しかし、答弁は「縛る」までもなく、皇位継承資格を決めてしまったのだから後で何を言おうと自由という趣旨である。

維新の提案や審議手続きへの疑問

日本維新の会の藤田文武共同代表は「女性皇族が自らの意思で皇籍を離脱しても公務はお支えいただくようお願いする方策もあり得る」とし、木原氏も肯定した。皇族を離れても公務分担を求めるのは身勝手が過ぎ、皇室の方々の立場や思いへの配慮が欠けている。

改正案が、議事日程などを所管する議院運営委員会で審議されたことも腑に落ちない。参院では野党の要求通り特別委員会が置かれた。立憲民主党などは改正案に反対する方針であり、改正案の問題点を厳しくただす必要がある。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ