物事を表面的に見るだけでなく、構成要素に分解して考える「構造化」の重要性が注目されている。『非学歴エリート』の著者である安井元康氏は、日常の疑問や仕事の課題を解決するには、この思考法が有効だと説く。
体重管理にも応用できる「構造化」の考え方
安井氏は自身の体重管理を例に挙げ、摂取カロリーを減らすことを主な手段としつつ、筋トレなどで基礎代謝を上げて両者をバランスさせる方法を取っていると説明する。痩せたいと思って闇雲に運動するよりも、しかるべき構成要素に分解し、どの要素にどうアプローチするのが最も効率的かを考えることが重要だという。
この思考の順番こそが構造化であり、一般的に頭がいいとされる人は、意識しているかどうかは別として、この構造化が得意な人が多いと安井氏は指摘する。逆に、仕事や生活で根本的な打開策が見つからないと感じているなら、物事を構造化する癖をつけるよう意識すべきだと述べている。
人の話を「分解しながら」聞く技術
構造化は人の話を聞く際にも役立つ。例えば、部下が「あの取引先は要求が厳しくて、受注は難しいです」と報告してきた場合、「そうか、大変だな」で終わらせてしまうと何も動かない。しかし構造化の癖があれば、「難しい」の中身を価格の問題なのか、納期の問題なのか、それとも担当者との関係性の問題なのかと分解していくことになる。
価格の問題であれば、自社の見積もりが高いのか、競合が安いのかを検討する。競合が安いのであれば、その競合はどこで利益を取っているのかまで掘り下げる。こうして分解していくと、「厳しい取引先」という一言が「競合が保守契約とセットで値引きしている」という具体的な論点にまで到達することがある。そこまで来れば、打つ手は自ずと見えてくる。
会議で的確な指摘ができる人の習慣
人の話を構造化しながら聞くというのは、「この人の言っていることの根拠は何か」「なぜそんなことを言っているのか」を絶えず問い続けることだ。そしてそれは、相手が見落としている論点や考慮すべきポイントを提示することにもつながる。会議で的確な指摘ができる人は、たいてい話を聞きながら頭の中でこの分解作業をしていると安井氏は言う。
日々の仕事や生活の中で、まずは目の前の「困りごと」を2つか3つに分解してみることから始めてみてはいかがだろうか。



