検察の取り調べ、自白偏重の体質からの脱却が急務に
検察の取り調べ、自白偏重の体質からの脱却が急務

大阪地検特捜部の検事が、取り調べ中に容疑者を罵倒したとして刑事責任を追及される事態となった。この事件は、検察が自白を過度に重視する捜査手法を全面的に改める必要があることを示している。

検事の暴言と裁判の経緯

特別公務員暴行陵虐罪に問われた担当検事の裁判が大阪地裁で始まった。検察は当初、検事を不起訴としたが、裁判所が刑事裁判に付する決定を下していた。検事は2019年、不動産開発会社の元部長を取り調べた際、机をたたき、「検察なめんなよ」「あなたは大罪人」と発言した。初公判で検事は発言自体は認めたものの、「陵辱や加虐の意図はない」と無罪を主張している。

冤罪を生む危険性

捜査は必ずしもきれい事だけでは済まないが、容疑者の人格を攻撃して供述を迫る手法は冤罪を生みかねず、許されない。元部長はこの取り調べの後、上司だった元社長の事件への関与を認め、特捜部はこの供述に沿って元社長を逮捕した。しかし、裁判所は元部長の供述は信用できないとして、元社長を無罪とした。検事は事件の見立てに合う供述を引き出そうとした可能性が高い。今後の検事の裁判では、検察の組織的な関与の有無についても徹底的な解明が求められる。

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続発する不適正な取り調べ

近年、検事の取り調べが問題視されるケースが続発している。東京地検特捜部が捜査した事件では、黙秘を続ける会社社長を検事が大声で怒鳴りつけた。この検事についても刑事裁判を開くことが決定している。信じがたいのは、いずれの取り調べも録音・録画されている状況下で行われたことだ。録音・録画は、大阪地検特捜部が厚生労働省の局長だった村木厚子さんを逮捕、起訴した冤罪事件をきっかけに本格導入された。

検察の風土改革の必要性

それでも不適正な取り調べが公然と行われる背景には、自白を得た検事が必要以上に評価される検察の風土があるのではないか。筋書きありきの捜査から脱却し、客観証拠を重視する捜査の基本に立ち返るべきだ。密室での検事の言動が明らかになったのは、取り調べの状況が録音・録画されていたからこそである。今後は、任意の事情聴取などにも対象範囲を広げる必要がある。国が民事裁判に提出した取り調べ映像を外部に公開しないよう、取り調べを受けた側に求める動きがあるが、不都合な事実を隠そうとする発想は時代に逆行していると言わざるを得ない。

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